糖尿病の障害年金申請。基準は?初診日って?

コツコツと働いて年金を納めてきた方が身体に障害を負ったり、病気で生活に支障をきたすようになった時、「障害年金」というものが支給されることがあります。

糖尿病も例外ではなく、一定の条件が整えば、国から年金が支給されます。

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今回は、年金申請で必要な条件や基準を中心に、糖尿病の障害年金について考えてみたいと思います。

身近に糖尿病や様々な病気の方がおられたら、一度条件に当てはまらないか考えてみるのもいいのではないでしょうか?

障害年金って何ですか?

「年金」と聞くと、65歳を過ぎてから頂くようになる年金を想像しませんか?それは「老齢年金」と呼ばれる年金です。

実は、年金は老齢年金だけでなく、他にもいくつか種類の年金があります。

  • 老齢年金:みなさんおなじみの、65歳になったらもらえる年金ですね。
  • 遺族年金:年金を納めていた方が亡くなった時、配偶者と子どもさんがおられたら、その方たちに支払われる年金です。家計を支えてもらえますね。
  • 障害年金:身体に障害を負う、内臓や血液などの身体の内部に障害を負う、精神的な障害を負う。こんな時に支払われる年金です。

いろんな種類の年金がありますね。

今回は、障害年金がテーマなので、それについてもう少し詳しく見ていきますね。

障害年金は次の3つ基準に分けられます。

  1. 外部障害:手や足のマヒ、目や耳の障害など、主に身体的な障害。車いすに乗っていたりするので、表面的にも分かりやすいかもしれません。
  2. 精神障害:統合失調症やうつ病などの精神的、気分的な病気。認知症。てんかんもここに入ります。知的障害や発達障害もここに入ります。
  3. 内部障害:呼吸器の病気や心臓病、心臓や肝臓の病気、血液の病気、がんなどです。糖尿病はここに入ります。

ここにあるように、糖尿病は身体の内部の障害に入っています。がんや糖尿病が“障害”という言葉で表されるのって、少し違和感を感じるかもしれませんね。

しかし、ここでいう“障害”とは、“病気によって、日常生活がどんどん制限され、経済的な支援があったほうが良い状態”であることを指しています。

障害年金とは、一生懸命働いてきて、ちゃんと年金の保険料を納めてきた方が、老齢年金を前倒しでもらえるシステムです。

与えられた権利ですので、遠慮せずに活用し、あなた自身とあなたの家族の生活を守りましょうね。

障害年金に必要な初診日って?

障害年金を申請するときにとても大事になってくるのが「初診日」です。

初診日とは「その病気のことで初めて病院を受診した日」を指します。

申請基準を満たすのは、その初診日から1年6か月が経ってもなお、病気の状態が続いて、生活が制限されているときです。

申請する時には、主治医に診断書を書いてもらうことが必要です。

《例外》しかし一方で初診日から1年6か月が経っていなくても認定される場合があります。

糖尿病の場合は「人工透析療法を行っているとき、透析を始めて受けた日から3か月が経っている」とそこが「障害認定日」となって、申請することができるんです。

他には「切断によって肢体が障害される」「視力の障害によって両目の視力の和が一定の基準以下」になる。なども障害年金の申請基準にありますので、初診日は問題にされません。

糖尿病になってからいろいろな症状で悩んでおられる方は、一度、ご自身が基準に当てはまらないかチェックしてみてください。

障害年金の認定基準

では、糖尿病で苦しんでいるときに、どんな状態になると申請するための基準が満たされるのでしょうか。見ていきましょう。

まず、糖尿病は「代謝疾患による障害」に入る病気です。

代謝疾患の認定基準は3段階あります。障害が認められると、1級、2級、3級と3つの級に分けられます。

  • 1級:長期にわたる安静を必要とし、日常生活が非常に困難です。介護や入院によってケアされることが必要で、生活範囲がベッド周辺が中心であることが基準になります。
  • 2級:長期にわたる安静を必要とし、日常生活著しい制限を受けます。働いて収入を得ることが難しいです。軽い家事をすることはできても、それ以上のことを行うのが難しい状況にあります。外出にはつきそいが必要な状態が基準になります。
  • 3級:労働に制限を受けるなどの状態が基準になります。日常生活にはあまり支障をきたしませんが、仕事が制限されます。

治療の進み具合はどうか、症状に変化はあるか、合併症があるか、合併症の程度はどうか、代謝のコントロールの状態はどうか、生活の状況はどうかなど、総合的に判断されて、認定されます。

他にも条件がありますので、挙げておきますね。

  • 90日以上続けてインスリン治療を行っても血糖のコントロールが難しい。
  • 空腹時や随時の血清Cペプチド値が0.3ng/ml未満を示す。
  • 意識障害で自己回復できないような重症の低血糖が月1回以上ある。
  • 糖尿病ケトアシドーシスや高血糖高浸透圧症候群のために年に1回以上入院することがある。

など、いずれかの条件があると認められることもあります。

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障害年金っていくらもらえるの?

障害年金は、主に障害基礎年金と障害厚生年金の二つの種類があります。

《障害厚生年金》厚生年金の被保険者であって、一定期間ちゃんと納めている方がもらえる年金です。1級、2級、3級の種類があり、級に応じて年金額が変わってきます。また、何年保険料を払っていたか、いくら払っていたかによって、もらえる年金額が変わります。

《障害基礎年金》障害認定で1級と2級に認定された人に支払われます。厚生年金をもらっている方でも、1級と2級の方はプラスしてもらうことができます。

  • 1級:年間約78万円×1.25+子どもの加算
  • 2級:年間約78万円+子どもの加算

子どもは第1子と第2子がそれぞれ年間224,000円。第3子以降はそれぞれ年75,000円です。

申請はどこで?

障害年金の申請は市役所、年金事務所のどちらでも申請することができます。

しかし、糖尿病で申請する方は、働いた経験があり、厚生年金や共済年金など公的な年金の保険料を納めていた方がほとんどだと思います。

そんな方は、保険料をどの期間、どの位納めていたか。また、未納がなかったなどを調べる必要がありますので、個人情報を調べることができる年金事務所が良いでしょう。

まとめ

糖尿病は、血糖のコントロールが難しくなるだけでなく、それによって血管や神経、内臓、筋肉など、身体のいたるところに影響を及ぼす、とても怖い病気です。

特に日本人は、著しい肥満体形でなくても血糖値に異常が出ることもあるようですので、普段から、食事や運動によって健康を維持することが大事です。

それでもなお、症状が進んでしまったとき。

仕事が思うようにできなくなった。

生活に制限が出て、思うように動けなくなった。

家族を守りたい。

そんな時は、ぜひ障害年金を申請していきましょう。あなたに与えられた権利です。

迷うことはありませんよ。

 

 

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