育てにくい子を虐待しそう…。疲れた。愛せない。そんな時にすべき事は?

子育てをしていると、子どもの世話に手がかかり、“もうイヤ”“こんな子なんていらない”って思うことは、一度ならずありますね。

しかも、ちょっと癖のある育てにくい子が我が子だった時は、頭を悩ませる事も多いのではないでしょうか?

スポンサードリンク



もうこんな子は愛せない

育てるのにもう疲れた。虐待してしまいそうで怖い。

そんな時に、ちょっと立ち止まって、一度子育てを振り返ってみましょう。

今、何をすべきか考えてみましょう。

母性本能って誰にでもある?


“母性本能”って、とてもいい言葉ですね。

女性が生まれながらに持っている優しさや、マリア様の様な慈愛に満ちた精神を表す言葉です。

母性本能に満ちた、情緒的に豊かな女性になりたいな。って、ちょっと憧れてしまいますね。

特に、母になった時は「母性的で優しい母になりたい」と願うかもしれません。

ここで少し視点を変えます。

ある実験によると、人間は3つの点を見た時に、それを顔と認識する様にできているそうです。

また、顔の中により大きな目が存在すると、それを「可愛い」と感じてしまう“本能”を持っているそうです。

つまり、赤ちゃんの小さな顔に、大人と同じ位の大きさの目が存在すると、相対的に“大きな眼”と感じて、“つぶらな瞳”“かわいい子”と感じてしまうそうです。

だから大抵の人は、小さくて無力な赤ん坊を見ると、「可愛い」「守りたい」と本能的に感じるでしょう。

それが「母性本能」にも通じるところですね。

しかし、本当に母性本能がすぐに湧き出て、慈しみに満ちた子育てができるか?と言えば、実はそう簡単にはいきません。

無条件で子どもを愛する。

本能的で簡単に見えますが、実はとっても難しい事なんです。

無条件では子どもは愛せないものです。

母性本能は“誰にでも”“すぐ”に発揮される訳ではありません。

母性本能が発揮されるのためには

「子どもを守りたい」「子どもが可愛い」と愛おしく思うためには、母親の愛情の強さだけでは成立しません。

子が母親を特別な存在だと認識し、「母がいなくなったら不安」と後追いをして抱きついたり、大好きなお母さんに、「見て見て」と、キレイな花を見せに来て共感してもらおうとするような、そんな、子どもの心の成長が必要です。

母親の愛情がいくら強くても、何も反応してくれなかったり、反応がとても薄いと愛情は強化されません。

子の反応が少ないと、母との絆が形成されにくく、母も愛情をかけたくてもかけにくくなります。

なかなか子どもを“愛せない”と感じて苦しんでいても、原因は親だけではないことも多いものです。

しかし一方で、子どもが愛情を要求しているのに、親がそれを受け止められないと、これも愛情の絆は強化されません。

つまり、母性本能が発揮されるには、子どもからの働きかけと、それに反応する母の心理とが絡み合って成長し合わないと、ダメなのです。

育てにくい子を愛せない理由〜子の問題〜

では、子から見た愛情の問題は何かを考えたいと思います。

「育てにくい」「愛せない」と思う理由はいくつか考えられます。

視線の使い方が下手

意外に感じるかもしれませんが、目の使い方、視線の使い方は人とのコミュニケーションには非常に大事な要素です。

人は、話をする時に人の目を見て話します。

目と目を合わせたら、笑顔を交わすことができて、情緒的な繋がりを感じます。

何か悪いことをしそうになった時にお母さんが睨むと、視線を感じて、その怖さに手を引っ込めて悪いことを止めます。

子どもが不安になった時、お母さんを見て不安を訴えます。お母さんは目を見て頷き、“頑張りなさい”とでも言うように頷いて視線を送ることができます。

お互いの目を見てコミュニケーションを取るのは、非常によく使われるし、一番基本的なことです。

躾も、この、視線を合わせてから、“ダメ!”とサインを送ることから始まります。

子が視線をなかなか合わせない。

子に落ち着きがなくて、なかなか母の顔を見ない。

“ダメ!”と視線を送っているのに気づいてくれないので躾が出来ない。

悪いことをしても、母の顔を伺おうとしない。

そんな小さな事が積み重なると、その子を「育てにくい」「愛情をかけても反応が得にくくて愛せない」と感じるかもしれません。

母を特別な存在だと感じていない

小さな赤ちゃんがハイハイをしたり伝い歩きができるようになる頃、母との情緒的な絆ができて来て、母から離れたくない、と、必死で母の後を追うようになります。

まとわりつかれて大変ですが、母子間の情緒的な絆ができている証拠です。

もう少し大きくなると、「お母さんはちゃんと守ってくれている」との信頼と母のイメージが出来上がり、母がいなくてもちゃんと耐えられるようになります。

でも、年齢が上がっても、母を特別だと感じていないように見えることもあります。

むしろ、母よりも、父や祖父母を慕っているように見えることも。

愛情をいくら注いでも、反応してくれない、慕ってくれないと、辛いし悲しいし、「愛せない」と感じてしまいます。「育てにくい」と思ってしまいます。

母を自分の分身のように感じている

赤ちゃんが小さい頃は感情が未熟なので、自分の怒りを上手く感じ取る事ができません。

感じた怒りの感情は、全部母に向かって行ってしまいます。

母と自分の区別がつきにくく、一心同体のような感じなんですね、子どもにしてみたら。

でも、怒りをぶつけられる親はたまったものじゃありません。

腹が立つし、耐え難いし、とても育てにくいものです。

愛そうと思っても、なかなか愛せませんね。

発達障害などコミュニケーションの問題がある

発達障害は、社会のルールや、大抵の場合は教えなくても理解していく常識的な知識がなかなか獲得できない障害です。

頑固で融通が利かなかったり、興味に偏りがあったり、感覚が過敏で神経質だったりします。

発達障害の子どもは愛情を察知しにくかったり、愛情を表現するのが苦手です。

言葉で発信するのも苦手です。

ですから、親子間で絆が形成しにくく、親も愛情を注い注ぎにくいのです。

「育てにくい」「愛せない」と感じて、親も苦しんでしまいます。

育てにくい子を愛せない理由〜親の問題〜

子に愛情をかけたいと思っても、自分の生い立ちや考え方等、様々な理由で子を愛せない…と感じている方もおられるかもしれません。

〜べき思考の親

しっかりしていて、〜べきだ、と考える傾向の強い方です。

「小学生なんだからこうあるべき」

「女の子なんだから、男の子なんだからこうあるべき」

「もうお姉ちゃんなんだから。お兄ちゃんなんだから」

こういう“べき”思考が優先されて、そうなっていない我が子がイヤだ。愛せない。育てにくい。と感じるかもしれません。

子どもに自分の理想像を期待している親

子どもが生まれたらこんな子になってほしいな。

そんな理想はみんな持っていますよね、きっと。

でも、その理想を子どもに押し付けていませんか?

「学校はいい所に入らないと。あなたの為に」

「あんな友達は良くない。付き合っちゃダメ」

「私の子なんだから、こんな風になってほしい」

子どものために良かれと思ってやってる事。

実は、親自身が自分の理想や見栄、世間体、などに縛られているのかもしれません。

子が反抗してばかりで育てにくいのは、実はそんなあなたへの反抗かもしれません。

条件付きで子どもを愛していませんか?

子どもを無条件で、ありのままに受け止められていますか?

「愛せない」と感じているのは、あなたの、その、条件付きの愛情のせいかもしれません。

相性が合わない親

いくら親子と言えども、相性は確かにあります。

あまり大きな声では言えませんし、子どもには絶対に言ってはいけない事です。

しかし、考え方や性格が自分と全く違っていたり、相性が合わないお姑さんに似ていたり(笑)。

そんなデリケートな面が子育てに影響していることもあります。

しかし、そんな子どもでも、良さを認めてあげることはできますね。

全く違った個性を持った一人の人間として接するようにするといいかもしれませんね。

自分を愛せない親

自分自身が何らかの理由で自分を愛せない時。

そんな時って、人も愛しにくいものです。

自分の生い立ちで自信がなかったり、挫折を繰り返していたり。

精神的な問題を抱えていたり、精神的な疾患を抱えていたり。

自分自身が親から虐待を受けていて、育て方がわからない、穏やかな愛情のかけ方がわからない。

そんな人はいらっしゃませんか?

まずは自分を認めてあげましょう。

苦労してきたり、辛い思いをしてきた自分を褒めてあげて優しくしてあげましょう。

育てにくい子や愛せない子。

それはもしかすると、過去の自分の鏡かもしれません。

スポンサードリンク



今すべきことは

如何でしたか?

「育てにくい子」「愛せない子」と感じる原因は見当たりましたか?

子どもが原因になっていることも、親が原因になっていることも、その相互作用でこじれていることも、いろいろありますね。

私たち大人の人格がそれぞれ存在するように、子どもの個性もいろいろです。

お互いを認め合う。お互いを尊重し合う。

まずはそこから始めましょう。

自分とは人格が違う一人の人間として認めましょう。

そして、関わり方や考え方を1つだけ変えてみましょう。

そこから何かが見えてくるはずです。



まとめ

可愛い我が子なのに、子どもを愛せない、育てにくい。

そんな考え、倫理的にもいけないんじゃないか?って罪の意識を感じてしまいますね。

でも、そういった考えが浮かんでしまうのは、子どもを大切に感じるからこそです。

いい親でありたい。

子どもを大切にしたい。

愛情いっぱいに育てたい。

そんな強い思いがあるからこそ、育てにくさとの間に立たされて葛藤が生じるのです。

親も子も生きた人間で感情を持っています。

衝突することも、意見が合わないことも、思う通りにならないこともあります。

他人なら許せることでも、血縁があるからこそこじれてしまうこともあります。

それは想定内!

人生山あれば谷あり。

いろんな事があって当たり前。

子どもを可愛く思ったり、憎らしく思ったり、育てにくいと感じたり、愛せないと感じたり。

そんなのは当然だって思いましょう。

目の前にいる子どもをそのまま受け止めちゃいましょう。

スポンサードリンク