子どもの発達障害の種類ってどんなものがあるのでしょうか?

「発達障害」という言葉をよく耳にされると思います。

私たちが子供の頃には聞かなかった言葉ですよね。

雰囲気的にはわかるんだけど、いったい発達障害って何だろう?って思うことはありませんか?

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発達障害とその種類について、今回は子供を中心にまとめました。

発達障害ってなんですか?

「障害」は、今まで大きく3つの種類に分けられていました。

身体障害:腕や手などの上肢、下半身を中心とした下肢、胴体部分を指す体幹、内臓の病気や目の障害、耳の障害、言葉や噛む機能の障害など、身体に関係する障害です。

知的障害:大体18歳までにあらわれ、知的機能や日常生活、仕事、意思の交換などに支障をきたす障害です。

精神障害:うつ病や躁うつ病などの気分の障害、統合失調症、アルコールや薬物の依存、その他様々な精神的な疾患を持つ場合に言います。

そして、新しい概念として生まれたのが「発達障害」です。

発達障害の定義

発達障害は他の障害とは全く違う観点から評価します。

知的障害のように知能テストの点数で評価されることもありません。

身体障害のように、身体の状態を見てわかるわけではありません。

精神障害のように、明らかな病気が見つかるわけでもありません。

とてもあいまいなのですが、発達障害は、その人が生きる文化において、とても生きづらさがある時につく障害です。

えっ?なにそれ?

生きづらさ?

そうです。生きづらさなんです。

もう少しいうと、それぞれの人にはいろんな力がありますよね?

その力に凸凹があって、得意な領域と苦手な領域に非常に差がみられ、その偏り方などで社会生活を送るのがとても難しくなり、支障をきたすことが多くなるという障害です。

だから、凸凹があっても、生活に困らなければ発達障害にはならないんです。

それがほかの障害と違って定義がとても難しいところです。

子供の発達障害

子供は成長途中にあって、非常に未熟な存在です。

だからどの子でも得意と不得意があり、凸凹があります。

かんしゃく持ちだったり、落ち着きがなかったり、言葉が幼かったり、怖がりだったり。気になるなあ、改善してほしいなあと思うことがいっぱいです。

この年代の子供は、こういった年齢的な特性のために、発達障害かも?って心配されることが非常に多いし、判断が難しいんです。

世の中のママは我が子の様子を見て、一度は発達障害の診断基準とにらめっこした経験があるかもしれませんね。

実は、発達障害は「ここからが発達障害です。」という線引きがありません。

線で区切るのではなく、光のプリズムのように症状が帯状になっていて、❝非常に当てはまる❞❝当てはまる❞❝少し当てはまる❞のように、症状が連続しています。

とても当てはまってすぐに診断がつく子供、「その傾向がありますね。」といったグレーな状態の子供、「とっても健康だけど、こんな点は少し気を付けないとね」といった子供など、子供の数だけ無数に状態があります。

だから子供の発達障害の場合は、診断がつくかどうかにこだわるのではなく、❝その子がどれだけ生活で不自由しているか❞に注目してあげることがとても大切です。

周囲の大人がきちんと子供の得意と不得意を理解してあげて、その子にあった方法で育児を行うことが一番大事なのです。

育てにくい子供、かたよりのある子供、発達障害の子供。

どの子も個性を理解してあげて、環境を整えてあげるだけでも、目に見えて状態が良くなってくることも多いんですよ。

もしお医者さんから、我が子が「発達障害」だと告げられたら。

それはとてもショックかもしれませんが、「早いうちから子供の特徴を知ることができて、子育てを見直す良い機会ももらえた」ということでもあるのです。

周囲に理解されずに一番困っているのは、子供自身です。

子供の特徴にあった方法を見つけ、ご両親や先生、みんなで力を合わせて見守っていくことがとても大切です

知的障害とはどう違うんですか?

知的障害は知能検査などによって判断される障害です。

発達障害は知能検査からは判断できません。

発達障害は、生活のいろんな場面の中で、大変なことはないか?苦労はないか?そんなことを丹念に聞き取って判断していきます。

ただ、発達障害の子供の中には知的障害を併せ持つ子供と、知的障害を持っていない子供がいます。

子供の発達障害の種類

自閉症スペクトラム

注意欠如・多動性障害

学習障害

大きく分けると、この3種類の障害があります。

自閉症スペクトラム

以前は「軽度発達障害」「広汎性発達障害」「高機能自閉」「自閉症」「アスペルガー」など、発達障害を表す言葉がいろいろありました。

今はDSM-5(『精神疾患のための診断と統計のマニュアル』)というアメリカの精神疾患の診断基準を用いて、それらをまとめて「自閉症スペクトラム」と呼ばれています。

社会性が未熟:人にどれくらい関心を持つか、人と共感できるか、を見ます。子供なら、親、特に母親との愛情が築けているか、人見知りはあるか、人見知りがきつすぎないか。人があまり怖がらないものに恐怖を感じたり、逆に怖がらなさすぎないか。相手の立場に立って物事を考えられるか。喜怒哀楽の表情が豊かか。おもちゃで正しい遊びができるか。

コミュニケーションが苦手:言葉が使えるか。言葉はあるけれど独り言が多くないか。会話をするときに視線を合わせることができるか。表情が理解できるか。

偏りやこだわりがみられる:想像して遊びが拡げられるか。偏った遊びになっていないか。頑固じゃないか。融通が利くか。気持ちが切り替えられるか。

注意欠如・多動性障害(AD/HD)

不注意:ケアレスミスがとても多い。忘れ物が多い。集中するのが苦手。人の話をじっくり聞くのが苦手。整理整頓や時間の管理が苦手。約束などをすぐに忘れる。

多動性:何かに突き動かされるようによく動く。手足をソワソワさせたり、椅子をガタガタさせたりする。すぐに席を立ってしまう。走ってはいけない場所で走り回ったり、高い場所でも平気で走る。とてもおしゃべり。

衝動性:質問が終わる前に出し抜けでしゃべってしまう。順番が待てない。人の会話をさえぎって話し始める。ゲームなどを妨害してしまう。相手に許可を得ないまま勝手に人のものを使ってしまう。

学習障害

知的な遅れはないのですが、聞くことや書くこと、そして計算することが苦手な障害です。

定義はいろいろありますが、これに推論したり推察することが苦手だったり、時間や空間の把握が苦手…というのが加わることがあります。

学習には目と手を使うことが必要ですが、子供の中には目の使い方がうまくできなくて、❝うまく注目できない❞❝うまく図形を見分けられない❞❝見たものをきちんと記憶できない❞子もいます。

また、目と手を同時にうまく使えないので、上手にかけない子供もいます。

それらの目と手の使い方の問題が、「学習障害」につながっていることもありますので、❝学習が難しい❞ことの原因はしっかりと把握することが大事です。

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発達障害とともに表れやすい障害の種類

発達障害とともに表れやすい障害が数種類あります。

発達性協調運動障害:手や足を同時に、なめらかに使うことが苦手です。歩いたり走る姿が何となくぎこちない感じに見えたり、よくこけたりします。ブランコや自転車のように、上半身と下半身、あるいは右半身と左半身を同時に違った動きをする運動が苦手だったりします。

チック:無意識に身体が動いてしまいます。身体をピクピクさせたり、「んっ、んっ」と声が出てしまいます。リラックスしているときにフッと出やすくなる子供もいれば、授業中で緊張しているときに出る子供もいます。「バカー」などの悪い言葉が出てしまう子供もいます。

反抗挑戦性障害:小さいうちは何か言えば「でも・・・」と口ごたえする様子が見られたりします。一般的に、小さい子供には反抗期があります。その頃の子供にとって反抗は必要な要素で、反抗しながらも新しいことに最後まで挑戦しきった時に自信が生まれます。大人に反抗することは、心の成長にはとても必要なことです。反抗挑戦性障害の場合は、子供はもっとイライラした感じで、口論好き。わざと人を怒らせようとします。意地悪で執念深い様子も時には見られます。AD/HDの子供で、多動などがあって、叱られることが多かった子供の中には、成長とともに反抗的な性格に発展していくことがあります。

ストレス障害:発達障害の子供は、その子供たちがもつ特性のためにストレスを受けやすい環境にあります。また子供自身も、意外な場面でストレスを感じたりします。えっ?こんなことがストレスなの?と思うようなことにもストレスを感じて非常に傷ついたりします。

睡眠障害:赤ちゃんの頃から、眠るのが苦手な子供がいます。なかなか眠らない。寝付くまでに非常に時間がかかる。目がさめきるまでに時間がかかる。生活リズムがずれるとすぐに睡眠に影響が出る。などの症状です。

まとめ

障害の種類には、「身体障害」「知的障害」「精神障害」がありましたが、今はこれに「発達障害」が加わって、4種類に分類することができます。

発達障害は他の障害と違って、発達の偏りなどがあるために、どれくらい「生きにくいか」「生活しにくいか」という非常にあいまいな概念から成り立っています。

発達障害には主に3つの障害の種類があります。

自閉症スペクトラム、注意欠如・多動性障害、学習障害の3種類です。

また、発達障害に伴って表れる障害の種類としては発達性協調運動障害、チック、反抗挑戦性障害、ストレス障害、睡眠障害などがみられます。

子供はまだ、自分の力を客観的に判断することができません。

ですからいずれの場合も、子供の特性や個性を、大人がきちんと理解してあげることが大事です。

子供の状態を正しく把握し、適切な対応を心がけましょう。

大人や、子供を取り巻く環境が変われば、子供はきっと変わってきますよ。

 

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