とても自分勝手でマイペース。
思う通りにならないと、キレて暴れる人はあなたの周囲にいませんか?
相手の都合を考えずに一方的にすぐ怒るので、周りの方は戸惑いを感じたり疲れてしまうかもしれません。
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アスペルガー症候群と考えられる方は増えていますが、当のご本人は分からないことも多いものです。
すぐ怒る人とアスペルガーとの関係を考えてみましょう。
アスペルガーとは
アメリカ精神医学会から刊行されている「DSM-5 精神疾患の診断と統計マニュアル」は日本での診断基準としても活用されてますが、2014年にそれまでの診断基準や概念が変わりました。
自閉症やアスペルガーを一つの障害の連続体として考え、まとめて「自閉症スペクトラム」という名称で呼ぶようになりました。
しかし自閉症の中でも、知的障害がなくて言語機能が保たれている方をアスペルガーと呼んで区別していることは、日常的にはよく見られます。
今回はそういう位置付けでアスペルガーについて考えてみたいと思います。
アスペルガーとは①社会性の問題
②コミュニケーションの問題
③融通の利かなさ、固さの問題
この3つを持った、知的障害のない、言語機能が保たれた方をさします。
①社会性の問題
人との関わり方の問題です。
人にあまり関心がなくて1人で過ごすのが落ち着く人や、興味のある物に共通点があると、その話題に関しては人と話ができる人、周囲の人の反応に無頓着でマイペースな人など、様々なタイプの方がおられます。
相手の立場や相手の視点から見る事が苦手なので、ひんしゅくを買うことがあります。
社会のルールにも無頓着なので期限を守らなかったり、遅刻をしても平気だったり、服装や身だしなみに無頓着だったりします。
人は言葉だけでなく、表情や身振りなどからいろんな情報を得て、会話が円滑にすすむように心をくだきますが、アスペルガーの方は表情などが読めません。
また人と話をする時には視線を合わせる方が円滑なコミュニケーションが取れるということが分からないので、視線を合わせようとはしません。
②コミュニケーションの問題
言葉を使うことはできても、言葉を使ってコミュニケーションをとることが苦手です。
空気を読んで会話するのが苦手なのです。
ですから「子どもを見ておいて」と言うと、本当に見るだけで何もしなかったりします。
言葉通りにしか受け取れず、言葉の奥に隠された意図が読めません。
また、曖昧で抽象的な言葉が分かりません。
「ちょっと待ってて」と言うと、「ちょっとって何分のことだろう?」と気になってしまったりします。
また、やんわりと遠回しに言っても伝わりません。
「もうお昼だね」と言っても、「12時ですからね」のような、何とも気が抜けそうな返事が返ってきたりします。
お昼だからお腹が空いた。ご飯を食べようーと誘っているのに全く気づかないのです。
ご本人はマイペースで平気ですが、周囲の人は、何とも上手くいかないコミュニケーションにもどかしさを感じたり、ストレスを感じたりするでしょう。
③融通の利かなさ、固さ
こだわりや想像力のなさ、特定の物への興味、執着を持っています。
変化が苦手で毎日同じ道を通らないと落ち着かなかったりします。
頑固で、自分の意思はその通りになると思い込んだりします。
アスペルガーの人がすぐに怒る理由
では、アスペルガーの方がすぐ怒る理由は何でしょう。
冗談が通じない
言葉をそのまま取りがちなアスペルガーの方は、冗談を言われても、それがコミュニケーションを円滑にする言葉だとは思いません。
バカにされたと感じて怒ります。
「バカ」と言われれば、本当に自分の人格全てが否定された。くらいに感じています。
思い込みが激しい
自分がいいと感じたことは、他人もいいと感じているはず。
自分がこの予定でやっていこうと考えたら、必ずそうなると信じて疑いません。
考え方がとても一方的です。
相手の気持ちを考慮しなければならないとは思っていません。
ですから、何かの都合で自分が考えている事を変更されるのは想定外で、そんな事が起きると怒り心頭。
激怒して、その原因を作った人を激しく怒ります。
推理推測が苦手
一般的には、今まで自分が経験した失敗から教訓を得て、次に失敗しないように別の手段を講じようと、考えたりします。
でも、アスペルガーの方は経験の積み重ねを通して学習することが苦手です。
こんな場面で怒ったから、次からは別のこんな方法を取ってみよう…と次に繋げられないのです。
だから、同じ場面で同じ失敗をして怒るのです。
変化が嫌い
アスペルガーの方は変化を嫌います。
どちらかというと、いつも同じルールに従って行動するのを好みます。
その流れを崩してしまうと、明らかにその方のストレスを大きくしてしまいます。
結果、溜め込んだストレスが爆発してしまいます。
それがアスペルガーの方の怒り方です。
ストレスに弱い
感覚過敏の問題などで、刺激がいっぱいの普通の暮らしそのものが大きなストレスの原因になったりします。
大きな音や夏の暑さに弱くて、イライラしがちになる方も多いです。
ストレスを感じやすい
普通ならあまりストレスにならない事でもアスペルガーの方には大きなストレスになる事があります。
また思い込みが強くて、○○すべきだ!と思ってしまいがちなので、人の失敗や自分の失敗が許せません。
学校に教科書を持ってくるのを忘れてたのは自分のせいなのに、そんな失態をさせてしまった先生が悪い!連絡帳にそこま書かなかった先生が悪い!と、何も悪くない先生を激しく攻撃したりします。
アスペルガーの方は小さな出来事でもトラウマになり易く、よく似た場面に遭遇するとパニックになって暴れたり怒る事がよくあります。
自分のペースを乱されるのが嫌
アスペルガーの方はマイペースで、自分の領域、パーソナルスペースがとてもはっきりしています。
それは物理的にも、精神的にも言えることです。
自分の領域に入ってこられるのがとても不愉快で、我慢の限界を超えると爆発して怒るのです。
趣味の部屋で楽しく過ごしているのに、そこへ子どもがズカズカと入って来る。
あるいはその部屋の大事なコレクションを勝手に触るなど、自分の領域が侵害されると、例え子どもであろうと瞬時に怒りの温度計が上がって怒り始めます。
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アスペルガーの人の怒りと付き合うには
パーソナルスペースの尊重
まず相手のパーソナルスペースは尊重してあげましょう。
アスペルガーの方は、自分の領域が守られれば何も問題はありません。
もし、その領域に入っていかなければならないような時は、予めルールを作っておきましょう。
「こんな場合はあなたを呼びます。だからその時は手を止めて私の所へ来てください。」と、具体的な場面設定をします。
この時に注意することは、相手の方にも拒否できる権限があることも、一緒に伝えておくことです。
意外と拒否する方法を知らない人が多いものです。
「こんな時は、こういう言い方で拒否することもできますよ」と一言添えましょう。
また、不意に触られるのが苦手な方もいます。
急に後ろからトントンと背中を触ったりすると不快に感じる場合もありますので、正面から呼びかける、声を大きく出しすぎないなどの配慮があるといい人もいます。
ルールが変更される可能性を伝える
ルールが突然変わるのが一番不愉快で怒りを誘います。
「雨が降った時は予定がこう変わります。」のように、変更の可能性があるパターンを多く伝えれば伝えるほど、アスペルガーの方は安心して行動できます。
中にはマニュアルのように紙に書いて視覚化すると理解しやすい方もおられますので、その方の得意な方法で伝えてあげてください。
苦手な刺激は減らしてあげましょう
大きな音が苦手なら、なるべく静かな場所を選ぶ。人ごみが苦手なら、人の少ない時間を配慮する。など、その方の疲労を軽くしてあげましょう。
まとめ
アスペルガーとは、社会性の問題、コミュニケーションの問題、融通の利かなさと固さを持った、知的障害のない自閉症スペクトラムの方を指します。
アスペルガーの方はどちらかというとマイペースで人への関心が薄い為、自分から積極的には関わりません。
その分人間関係の摩擦が少なくてストレスはありません。
そして自分が大事にしている空間、心理的な距離に侵入される事を好みません。
また自分が良いと思っていることが、人の気持ちを無視したことであることも多く、それぞれの思いが違う時は、大きな摩擦を生み出してしまい、アスペルガーの方の怒りを買うことにもなり兼ねません。
程よい距離を取りながら、具体的な説明、具体的な提案を行って、一定のルールを作り上げながらコミュニケーションを取っていくことがとても大事です。
喫煙とイライラの関係はこちらをご覧下さい。
また、運転とイライラについてはこちらをご覧下さい。
他の発達障害についてはこちらをご覧ください。
⇨もしかして発達障害かも?ADHDとアスペルガーの違いって何?
⇨大人の発達障害と診断・治療。ADHDかも?と思ったらすべきこと
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