大人の発達障害 多動性障害って? 症状をチェックしてみよう

「大人」と聞くと、落ち着いていて、冷静なイメージがありますよね。子どものように走り回ってやんちゃではないので「大人」と「多動」は結びつきにくいかもしれません。

しかし、大人の中にも「多動性の」課題を持っている人はいます。

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一体「多動性障害」ってどんな感じの障害なのでしょうか?

今回は大人の発達障害の中でも、「多動性障害」についてまとめたいと思います。

症状がチェックできますので、気になる方はご覧ください。

発達障害って?

まずは「発達障害」について見ていきます。下の表をご覧ください。

このように、「自閉症スペクトラム」と「注意欠如多動性障害」「と「学習障害」の3つの障害を合わせて「発達障害」と呼びます。

  • 自閉症:現在は自閉症スペクトラムと言われています。表にある3つの領域の苦手さがみられます。言葉や知的な遅れがない場合はアスペルガー症候群と呼ばれます。
  • 注意欠陥多動性障害(ADHD):現在は注意欠如・多動症や注意欠如・多動性障害と言われていますが、日常的には「注意欠陥多動性障害」と呼ばれることが多いです。
  • 学習障害(LD):他の学習と比べると「読む」「書く」「計算する」が特に苦手な場合に言います。

今回のテーマ「多動性障害」は、この発達障害の「注意欠如多動性障害(ADHD)」に分類され、多動に由来するさまざまな症状をまとめて「多動性障害」と呼んでいます。

多動性障害の症状をチェック

先ほども述べたように「注意欠如多動性障害(ADHD)」とは、不注意や多動、衝動性の問題が強くて、日常生活に支障をきたしてしまう障害です。

「多動性障害」の問題だけでなく、ほかの症状を持っている人も多いの、3つのタイプの症状を全て挙げておきますね。自分は多動だけでなく、他にも気になる点はないかチェックしてみてください。

多動・多弁型をチェック←ここが多動性障害の症状にあたります

  • 落ち着きがない
  • 話をしていても目がキョロキョロして落ち着きがない感じ
  • 貧乏ゆすりや指をポキポキ鳴らす
  • 家事や仕事をしていても他のことに気持ちが行ってしまう
  • 仕事をやりかけたままで他のことをする
  • 話し出すと止まらない

不注意型をチエック

  • 集中力がない
  • 片付けができない
  • 忘れ物が多い
  • 仕事でケアレスミスがとても多い
  • 時間の管理が苦手で逆算して行動できない。だから約束の時間にも遅れる
  • 仕事の約束そのものを忘れる
  • 締め切りに間に合わない
  • 作業などを順序立てて行うことが苦手
  • 興味があることには集中して止められないけれど、コツコツとしなければならないことは長続きしない
  • 仕事で同時にいくつも言われると訳が分からなくなる
  • 刺激に弱く、何かをやっていてもすぐに目移りしてしまう。そして、何をやっていたか忘れてしまう
  • 飽きっぽい。時間をかける仕事が苦手
  • よくけがをしたり、事故にあう
  • 家事が段取り良くできない
  • こどもの幼稚園に時間内に連れていけない。いつも遅刻させてしまう
  • 買い物に行っても買い忘れが多い
  • 主婦として失格だ・・・と自分を責めることが多い

衝動型をチェック

  • 言いたいことが我慢できないので失敗する
  • 人の会話に割って入ってしまう
  • 欲しいものがあるとついつい衝動買いしてしまう
  • 怒りっぽくて、スイッチが入るとすぐに怒る
  • 仕事で人に相談せずに勝手に決めることがある
  • 自制心が利かずに、欲求に勝てないときがある
  • ゲームや喫煙、お酒がやめられない。
  • 何でも仕事を引き受けてしまって、手いっぱいになる。そしてできない。
  • 当てはまることが多い、またはとても強く当てはまる項目がいくつかあるのなら、ADHDを疑ったほうが良いかもしれません。

 

思い当たる症状はありましたか?

たくさんチェックがついたからと言って、すぐにADHDだと言う訳ではありません。チェックのついた項目がとても強く当てはまり、かつ生活で困難を感じていることが診断には重要です。

併存する障害って?

また、知っておいていただきたいことの1つに、ADHDや多動性障害などの発達障害の方は、他の発達障害も併せ持っていることがあると言うことです。

  • ADHDや多動性障害と学習障害(LD)との併存は、ADHDの約30~50%
  • ADHDや多動性障害と自閉症スペクトラムとの並存は、ADHDの約5~6%
  • 他にもてんかんやチック、強迫性の障害を併せ持っていることがあります。

思った以上に他の障害の症状を併せ持っている方は多いですね。

ですから、今、あなたが困っていることは実はADHDや多動性障害のせいではないかもしれません。

しかしその判断は非常に難しく、専門家の方でさえ意見が違うことが往々にしてあります。

大人のADHDや多動性障害に特有な症状~ADHDのマーチ~

「発達障害」の診断基準ができ、世の中に浸透して来たのは本当に最近です。

従って、大人のADHDや多動性障害の方は診断がつかないまま、困り感が年々強くなっていったかもしれませんし、その症状を背負ってきた期間が長く、人から怒られたり、うまくいかなくて落ち込む期間が長かったと考えられます。

こうやって、ADHDや多動性障害に加えて、二次的にいろんな症状を背負っていくことをADHDのマーチと呼びます。

ADHDのマーチには、自分に自信がなくなって、 無力感に悩まされるうちに精神的に不安定になり、不安障害やうつの症状を持つパターンと、逆に、反社会的な行動が目立ってしまう人がいます。

しかし、このマーチは全員がなる訳ではありません。大人だから、こう言った二次障害を必ず持っていると思わないでくださいね。

大人の発達障害はとても複雑で、解決しなければならない問題が子供と比べたら多いという事、それによって苦しみが長く深く続いている事をお伝えしたかったのです。

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大人のADHD、多動性障害の診断って?

もし、大人でご自身の持つ症状が気になった時、私たちはどうすればいいのでしょうか?大人の発達障害はどうやって診断していくのでしょうか?見ていきましょう。

子どもの頃を思い出そう

ADHDや多動性障害は大人になってから発症するものではありません。それらは脳の機能障害が原因とされていて、生まれついての障害だとされています。

従って、幼少期の様子を知ることが、診断には非常に大事になってきます。

1、2歳の頃はどうだったか?幼少期の様子がどうだったか?小学校ではどう過ごしたか?

そんな情報がとても大切です。

是非、親御さんに聞いて見てください。

母子手帳や育児日記、幼稚園の連絡帳や、学校の通知表、撮りだめしているホームビデオなど、小さい頃を思い出せそうなものを参考にして、お話ししてください。「そう言えばね・・・」と、ポツポツと思い出して下さると思います。

小学校、中学校、高校時代の様子ならば、ご自身で思い出すことができるでしょう。少し振り返って見てください。

ここに、表を挙げておきます。参考にして思い返してみてください。

大人のためのADHD.co.jp  日本イーライリリー

 

どこで診断を受けるのか

 病院

大人のADHDを診断してくれる病院はとても少ないです。精神科、神経科、心療内科で探してみてください。

ネットで調べて、大人の発達障害を診断してくれるのかを見てください。わかりにくいようしたら、実際に電話で確認するのも手です。

発達障害者支援センター

各都道府県に1か所以上設置されています。電話での問い合わせができますので、まずは電話で相談するのもよいでしょう。

診断できる病院を紹介してくれるだけでなく、個別の相談に乗ってくれたり、就労支援を行ってくれたりします。

同じような症状を持つ方どうしのピアカウンセリングを行っているところもあります。

センターは基本的には診断は行っていません。

まとめ

発達障害の1つであるADHDの症状の中には、「不注意」「衝動性が高い」に加えて「多動や多弁」があり、「多動」と「多弁」の部分を「多動性障害」と呼びます。

大人の「多動性障害」は、落ち着きがない、話をしていても目がキョロキョロして落ち着きがない感じ、貧乏ゆすりや指をポキポキ鳴らす、家事や仕事をしていても他のことに気持ちが行ってしまう、仕事をやりかけたままで他のことをする、話し出すと止まらない。などの症状が見られるのが特徴ですが、他のADHDの症状を併せ持っていたり、他の発達障害を併せ持っていることも往々にしてあります。

また、子どもと違って背負ってきた人生が長い分、挫折したり自己肯定感が低くなり、二次的な障害を持ってしまうこともあります。

診断には幼少期の情報が必要ですので、自分の過去を振り返ったり、親から情報を聞いておきましょう。

診断よりも大事なことは、「苦手な事をどうカバーするか」です。

家族や友人、専門家からいろんな意見を聞きながら、自分に合った方法を探っていきましょうね。

 

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