子どもにすぐ怒る私。やめられないのは虐待?正しい育児って?

子どもがごねたり泣いたり、走ったり。

どんなに我慢しても限界はあるものです。

スイッチが入るともう感情を抑えられなくなって、子どもに大声で怒鳴り散らしてしまうことって経験ありますよね。

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そして夜に子どもの寝顔を見ると申し訳い気持ちでいっぱいになって…。

こんなにすぐ怒る育児っていいのかな?

最悪の親じゃないかな?

これは虐待じゃないか?

そんな思いがこみ上げてきませんか?

正しい育児って一体なんでしょうか?

怒る親ほど素晴らしい

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悪い親になってやろう。

そう思って育児をする方はいませんね。

“いい子に育って欲しい”と願いながら、一生懸命関わっているはずです。

自分の時間も捨てて、いろんな自己犠牲をはらって育児をしているはずです。

自分を捨てられるほど強い思いの育児。

実は、それだからこそ怒りの感情が湧いてきます。

「怒り」とは、自分の存在価値が何かによっておびやかされた時に生じる感情です。

私たちは自分を犠牲にできるくらい育児に真剣です。

そして、“こんな風に育って欲しい”と、いい子に育っている我が子をイメージして、その理想に近づけるように一生懸命育てます。

しかし現実は違います。

子どもは全然いい子じゃない。

これも出来ない。

あんな事もしない…。

見えてくるのは、自分の希望や理想をことごとく打ち消していく我が子の姿。

全身全霊で育てているのに。

希望に応えてくれない。

そんな我が子を目の前に見せつけられると、自分の信念や思い、存在価値が大きく揺り動かされてしまいます。

そして芽生えるのが“怒り”です。

怒るというのは、悲しい気持ちや不安な気持ちと同じ仲間で「不快な」感情です。

しかし決定的に違うのは、他の感情は“不快”と感じたらその人から遠ざかって逃げるのに、「怒る」感情が湧いた時だけは、逆にその対象に近づいてしまうことです。

つまり、子どもに対して怒りを感じた時に、彼らから逃げることは、そもそも至難の技なのです。

でも、子どもに怒りの感情をぶつけるのは良くないと、理性のどこかで理解しています。

だからこそ葛藤して苦しいのです。

真剣に一生懸命育児をする親ほど、“怒り”の感情と向きあって辛い思いをするのです。

”怒り”を感じるほど、私は真面目に子どもと向きあってるんだ!という風に理解しましょう。

怒りを感じる自分に自信を持ちましょう。

育児は足し算で

ではどうしたら、その難解な“怒る感情”と向き合えばいいのでしょうか。

親は子どもに対して理想や夢を抱きます。

こんな風に育って欲しい。

いい子に育って欲しい。

沢山の思いを持つものです。

しかし目に前にいる我が子は完璧ではありません。

ああ、あれができない。

これもダメ。

私たちはそんな“引き算”で子どもを評価してしまいます。

そして、その時に生じた不快な心の揺れが怒る感情へ結びついていきます。

親の理想や願いから、子どものできない部分を引き算すると、子どもは永遠に褒められる機会を失って怒られるだけになってしまいます。

そこで子どもの評価を違った視点から見る必要が出てきます。

それが「育児の足し算」です。

どこに焦点を当てて育児をするのか

「這えば立て 立てば歩けの 親ごころ」とはよく言ったもので、私たちは子どもに何か進歩が見られると、すぐに次の目標を目指します。

親の要求は留まるところを知りません。

いつも理想や願いを追い求めて、そして届かない現実に挫折するのです。

でも、私たちが見なければいけないのは理想の未来ではありません。

それは過去です。

お子さんは何ができませんでしたか?

どんな事で親は困っていましたか?

そこはじっくりと考えて思い出してください。

そして、現在はどうなっていますか?

きっとできているでしょう。

もう、当たり前のように。

親も見過ごしているくらいに。

私たちが見ないといけないのはそんな点です。

過去と比べて何ができているのか。

何を褒めてあげられるのか。

そんな過去からの「育児の足し算」をして、子どもを評価するクセをつけていきましょう。

一つ一つの成長を喜んで、うんと褒めることに焦点を当ててみてください。

腹が立ってすぐ怒るパターンから、子どもの良い点を見つけて褒めるパターンに変えてしまいましょう

すぐ怒る原因は

疲れ

一番の原因は“疲れ”かもしれません。

育児に日曜日はありません。

いつも親は子どもの為に働かないといけません。

しかも夜であろうと子どもは待ってくれません。

慢性的な睡眠不足と疲労。

怒りの沸点は必然的に低くなって怒りっぽくなります。

第一子である

一番目の子どもの育児はいつでも、何歳になっても“初体験”で“初心者”です。

子育てへの責任感がいっぱい。

一生懸命手探りで答えを探そうとするので、親のストレスは大きくなってしまいます。

思う通りにならないことに怒りの感情が生じやすくなります。

もう○才

「この子はもう3才なのに、こんな事ができません。」と親から相談を受ける事が多いです。

しかしそれは間違いです。

正しくは「もう3才」ではなくて「まだ3才」です。

きっとお子さんが10才になっても20才になっても、子育ての悩みがなくなることはありません。

形を変えて悩みは生じてくるものです。

きっと、お子さんが10才になった時に3才の頃を思い出したら「あの時は可愛かったな。ホントに子どもだったな。今はこんなになって、こんな悩みがあるな」と感じるはずです。

そして子どもが20才になったら「10才の時は可愛かったな。子どもだったな。今はこんなになって、こんな悩みがあるな」と、同じことを考えています。

私たちは“今”しか見えません。

もうこんなに大きくなってるんだからできるはず。

そう考えてしまいがちですが、実は「まだ3年」「まだ10年」です。

「まだ3年しか生きていないんだから、未熟で当たり前」と発想を転換してみましょう。

もったいないです。

子どもの親としての存在感

親になると自分の名前で呼ばれる事が少なくなります。

○ちゃんのママ、○ちゃんのパパと、子どもを中心にした呼び名で呼ばれる事が断然多くなります。

私たちも、我が子の親になろうと一生懸命になって、“自分の存在”を忘れてしまいがちです。

しかし親の仮面をかぶり続けるのは疲れるものです。

時々は自分の名前に戻って、自分らしさを取り戻しましょう。

その他

夫婦関係が上手くいっていない。

経済的に苦しくて大変。

病気の家族を抱えている。など、子どもを取り巻く他の理由が、あなたを苦しめているのかもしれません。

ストレスが、弱い人への攻撃として表れることもあります。

気づかないうちに子どもを追い込んでいませんか?

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虐待かもと感じますか?

イライラして子どもに手をあげたり、罰を与えたりして、「もしかして私は虐待をしているんじゃないか」と不安になりますか?

ついつい手をあげたり、感情的になって罰を与えることは誰にでも経験はあるでしょう。

ここで質問ですが、あなたは子どもの頃、どんな育てられ方をしましたか?

今あなたがやっているように、叩かれたり、罰を受けて育てられませんでしたか?

もしそうだったとしたら、その事に対してあなたはどう感じますか?

親と同じ子育てをしようと思うか。

親のよう育児は絶対したくないと思うか。

私たちは、自分が育てられたように自分の子どもを育てようとします。

でも、自分が辛い育てられ方をしたのなら、育児の負の連鎖はあなたが食い止めましょう。

あなたの子どもに、あなたが受けた辛い経験はさせないようにしましょう。

どんな形でも「虐待かも」と心配になったなら、一度自分の行動を見直してみる事が大事です。

子どもを追い詰めたかな?という勘は大抵当たっています。

でも大丈夫。

子どもは健康にできています。

気づいた時が変わり目ですから、「気付けたことはとても偉い」と自分を褒めて、今から工夫をしていきましょう。

必ず変わります。



まとめ

正しい育児って何でしょうか?

こうしなければいけない…という法則はあるのでしょうか。

1人の小さな命を預かるのは、とても大きくて責任感を伴うものです。

押しつぶされそうになりながらも、子どもを一人前にしようと努力して葛藤します。

そんな育児の重責が分かるからこそ“怒り”が生まれます。

私たちは、今、ここに生きています。

今、目の前にいる子どもから目をそらさない。

向きあってもがく。

それが“正しい育児”なのかもしれません。

ご自身が虐待を受けたかも…お母さんとの関係が解決できていないかも…と感じる方はこちらもご覧下さい。親子関係について書いています。

母は何故すぐ怒るのか?母性から見る親子関係

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