大人の発達障害と恋愛 彼や彼女がADHD(注意欠如多動性障害)だった時、結婚までにしておくべきこと

大好きで付き合い始めた彼女や彼氏。

でも恋愛を重ねるうちに、ちょっと…なんかズレを感じるような…。そんな違和感を感じて不安になることはありませんか?

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そんな感覚的な不安がある時、もしかしたら、あなたの彼女や彼氏は発達障害を抱えているかもしれません。

今回はADHD(注意欠如多動性障害)を中心に、恋愛を重ねて結婚に至った時に「しまった!!」と思わないように、今回は結婚までに考えておくべきことをまとめたいと思います。

大人の発達障害について

知られていない大人の発達障害

発達障害という言葉はよく耳にするようになっていると思いますが、大人の発達障害はまだまだ研究途上で、よく知られていません。

そもそも発達障害の概念ができたのも最近なので、私たち大人の世代が小さかった頃にはそんな視点から教育や医療の目が向けられることはありませんでした。ですから、今の大人で発達障害の診断がついている人は子どもと比較するととても少ないです。

しかし、だからといって発達障害の大人がいないのかと言えば、そうではありません。やはり一定数存在すると想定されます。

つまり、大人の中には発達障害と診断されていないけれども、生活上に困難を抱えた方が数多く存在するということになります。

発達障害の方は、自分の個性をきちんと把握し、周囲の人にも正しく理解してもらえると、とても楽に生きることができます。

もし、恋愛中の彼や彼女が発達障害かも…と感じる時は、是非とも“発達障害”という視点で見つめてあげてください。

新しい発見とともに、お互いの絆がより一層深くなるはずです。

発達障害と二次障害

発達障害とはどんな障害なのかイメージしにくいですね。身体障害は身体になんらかのハンデがある人だとわかりますが、「発達障害」は何の発達に障害があるのか?ってわかりにくいですね。

「発達障害」の“発達”とは、社会性の発達の問題を指します。

人は、生きるために、その人が属する集団や文化の中でうまく適応していく必要があります。そのためにその社会のルールを学んだり、相手の気持ちを理解してうまく付き合う必要が出てきます。

でも、発達障害の方は、そういった社会のルールがなかなか理解できなかったり、ある分野は得意でも特定の分野が弱いなど、発達に凸凹があるので、とても生きづらさを感じてしまいます。

それが子どもの頃からずっと続くと、大人になるまでに、失敗と挫折を繰り返してしまい、自分に自信がなくなって、自己肯定感の低い大人へと成長してしまいます。思春期を迎えて問題が深くなる頃には鬱や不安障害、強迫障害などの問題が大きくなる人も多いのです。

それが二次障害です。

発達障害の大人と二次障害は切っても切れない関係にあり、それが、その人の問題を大きくしてしまいます。

恋愛中のあなたの彼や彼女も、発達障害の問題に加えて、自信がなくて鬱っぽくなっていたり、不安がとても強い傾向にあるかもしれません。

3つの発達障害

発達障害には次の3つの障害があります。

  • 自閉症:現在は自閉症スペクトラなどとも言われています。こだわりが強かったり、頑固なのが特徴。興味がかたよっていて、マニアな人も中にはいます。人にあまり関心がなかったり共感性に乏しかったりします。空気が読めない、人の表情を読みにくいなどの対人関係の難しさがあるのも特徴です。仕事はよくできる人もいますし、とても優秀だったりする人もいます。
  • 注意欠如多動性障害(ADHD):現在は注意欠如・多動症や注意欠如・多動性障害と言われています。詳細は次に述べます。
  • 学習障害(LD):「読む」「書く」「計算する」などが苦手なのが特徴です。

発達障害は重複する?

発達障害はとても診断しにくい障害で、医師によって診断名が若干変わったりします。診断の難しいところは、発達障害の方は、単独でその症状を持つ方から、ほかの発達障害をいくつも持っている方までいろいろあるからです。

ADHD(注意欠如多動性障害)との並存率

学習障害(LD)…9.8%
自閉症スペクトラム…4.8%
チック障害…1.6%

よくわかる大人のADHD 榊原洋一 ナツメ社

このように、注意欠如多動性障害(ADHD)だけでなく、ほかの症状を持っていう人が意外と多いのです。

恋愛中の彼女や彼氏も、もしかしたら単独の障害ではなく、いくつかの症状を重ね持っている可能性もあるかもしれません。

ADHD(注意欠如多動性障害)の症状

ADHD(注意欠如多動性障害)は、多動・多弁型、不注意型、衝動型の3タイプに分けられます。

1つのタイプだけの人から、全部のタイプを持っている大人まで、いろんな症状を持っている人がいます。

今回は大人の症状を中心に挙げておきますね。

多動・多弁型

  • 落ち着きがない
  • 話をしていても目がキョロキョロして落ち着きがない感じ
  • 貧乏ゆすりや指をポキポキ鳴らす
  • 家事や仕事をしていても他のことに気持ちが行ってしまう
  • 仕事をやりかけたままで他のことをする
  • 話し出すと止まらない

不注意型

  • 集中力がない
  • 片付けができない
  • 忘れ物が多い
  • 仕事でケアレスミスがとても多い
  • 時間の管理が苦手で逆算して行動できない。だから約束の時間にも遅れる
  • 仕事の約束そのものを忘れる
  • 締め切りに間に合わない
  • 作業などを順序立てて行うことが苦手
  • 興味があることには集中して止められないけれど、コツコツとしなければならないことは長続きしない
  • 仕事で同時にいくつも言われると訳が分からなくなる
  • 刺激に弱く、何かをやっていてもすぐに目移りしてしまう。そして、何をやっていたか忘れてしまう
  • 飽きっぽい。時間をかける仕事が苦手
  • よくけがをしたり、事故にあう
  • 家事が段取り良くできない
  • 買い物に行っても買い忘れが多い

衝動型

  • 言いたいことが我慢できないので失敗する
  • 人の会話に割って入ってしまう
  • 欲しいものがあるとついつい衝動買いしてしまう
  • 怒りっぽくて、スイッチが入るとすぐに怒る
  • 仕事で人に相談せずに勝手に決めることがある
  • 自制心が利かずに、欲求に勝てないときがある
  • ゲームや喫煙、お酒がやめられない。
  • 何でも仕事を引き受けてしまって、手いっぱいになる。そしてできない。

当てはまることが多い、またはとても強く当てはまる項目がいくつかあるのなら、大人のADHD(注意欠如多動性障害)を疑ったほうが良いかもしれません。

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恋愛中のうちにやっておきたいこと

恋愛中はお互いのことを思いやりあい、相手から欠点や不満を言われても、謙虚に聞く姿勢があります。だって、目の前にいるこの人と結婚するためには信頼を獲得しなければいけませんものね(笑)。この人と結婚してもいい!と思ってもらわなければなりませんからね。

この時期が二人の関係性を作り上げる1番のチャンスです。

男性に多いのですが、結婚してからまるっきり相手に関心を示さなくなって自分の世界に生きたり、奥さんを支配して独裁者のようになってしまうことがあります。そんな関係になってから、相手に関係改善のための申し出をしても、聞く耳を持ってくれないことが多いです。

恋愛中のうちにしっかりと関係性を安定させておきましょう。

お互いの個性を話し合える関係を作っておく

どんな恋愛中のカップルも、お互いに個性があり、長所と短所があります。

時には相手から欠点を言われることもあるかもしれませんが、人として成長するためには聞き入れるべき課題ですね。

特にADHD(注意欠如多動性障害)などの発達障害がからんでくると、結婚してから「あなたは障害者かも」と持ち出しても、相手を怒らせるばかりかもしれません。

恋愛中は、お互いが変わろうと、より努力できる時期ですので、もし、発達障害的な面が気になったり、相手に改善してほしい点があるのであれば、どうしてほしいのかをきちんと伝えてあげた方が良いかもしれません。

勿論、言い方には細心の注意が必要です。「あなたは障害者じゃない?」「そんなに怒るなんて最低」なんてストレートに言うと、相手は傷ついてしまうでしょうし、関係性も悪化してしまいます。

“障害”という言葉を使うよりは、“個性”という言葉を使う方が良いかもしれませんし、「お互いに成長しましょう」というスタンスで提案するのが良いかもしれません。

具体的に「こんな時はこうしてほしい」「こんな風にしてくれると嬉しいです」と、どうしたら良い関係が作れるのか、どうすればお互いが心地良くなるのかを、否定文ではなく肯定文で伝えることがコツです。「こんなことしないで」と否定文を使うと、それがケンカの種になるかもしれません。

お互いの個性を認め合い、今以上に関係を良くするために気持ちを伝え合うことは、どのカップルにとっても重要です。お互いが変わるために話し合いができる恋愛中のカップルは、結婚してからもそんな関係を維持できます。

是非、恋愛中から、話し合える関係を作っておいてくださいね。

そんな話を進める中で、相手から「障害」という言葉が出てきたら、一緒に考えてあげたらいいかもしれませんね。一緒に解決方法を考えたり、必要であれば病院を受診したり、前向きに考えていきたいですね。

相手の自信や自己肯定感をいい状態で維持する

恋愛中の彼や彼女がADHD(注意欠如多動性障害)だったとしたら、それまでの人生はとても辛いものだったかもしれません。挫折が多くて、自分に否定的な人生を歩んできたのかもしれません。

そこにあなたが登場して、素晴らしい恋愛に発展した時。

彼女や彼は、素晴らしい人と出会えて、自信を持ったに違いありません。

素晴らしいことですね。

男性に多いのですが、この「自信」が間違った方に向いてしまって、結婚してから奥さんを“支配”することで 自信を保とうとする人が時々おられます。

“自信”が誤った方向に向かうと、伴侶を苦しめることになります。

自信は人を支配することで持つべきものではありません。

相手を思う→相手からも大事にされる。そんな関係性の中から成熟した人間性が出来上がり、自信と自己肯定感は生まれるべきです。

恋愛から生まれた貴重な自信と自己肯定感は、相手を思い合うこと、大切にしあうことで維持していきたいものですね。

恋愛の相手と、普段からお互いを認め合い、褒め合う関係を作っておきましょう。

まとめ

恋愛はとても楽しいものですが、その先にある結婚を考えた時に、漠然とした不安を感じることもあるでしょう。

彼や彼氏が大人の発達障害かも?と心配になった時は、しっかりと話し合える関係を作っておきましょう。

また、恋愛から生まれた自信や自己肯定感を、お互いを思い合える関係、大切にしあえる関係に使えるように維持しましょう。

結婚してからの人生はとても長く、相手への思いやりも薄れがちになります。

恋愛中のうちに、しっかりと二人の基本的な関係を作っておきましょうね。

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