赤ちゃん時代から含めて、子どもはよく泣いてよく怒るものです。
可愛いと思える時もあれば、こちらまでもが腹が立って、その怒りをどこに持っていけばいいのか困ってしまう事もありますね。
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すぐ怒る子どもの性格に悩んでいるお母さん、お父さん。
子どもの“怒り”について少し、考えてみませんか?
怒るってどういうこと?
大人だって、怒ることはよくあります。
どちらかというと、ちょっとしたことでカチンときてしまって家族に文句を言ったりと、1日の中で怒る機会は案外多いかもしれません。
私たちは怒ってしまうとなかなか我慢できません。
しかも、吹き出すと抑えることができません。
だから、怒ると疲れてしまいます。
感情には嬉しい、悲しい、楽しい、恥ずかしい、などいろいろなものがありますが、“楽しい”のような快の感情と比べて、“怒る”や“悲しい”感情は不快です。
しかも、“悲しい”のような感情は、その対象から離れて避けることができるのに、“怒り”に関しては逆で、避けるどころか益々その対象に近づいてしまいます。
怒った時には、相手に近づいて怒りつつも、上手く自分の気持ちを伝えたり、うまく感情処理する必要があり、大人にとっても“怒る”感情と付き合うのはなかなか難しいものです。
だから疲れてしまうんですね。
では、どうして私たちは怒るのでしょうか?
一般的に、怒りは自分の存在や領域をおびやかされる時に感じる感覚だと言われています。
自分の身を守るための、一種の防衛反応です。
例えば、せっかく頑張って美味しいご飯を作ったのに、旦那さまが何も言わずに黙々と食べ続けると、イラっとして機嫌が悪くなる事もあるでしょう。
もしかすると、それは奥様が旦那さまの愛情に不安を感じて、自分の存在がおびやかされている、という背景があるのかもしれません。
“怒る”という感情の背景には、本当は何か別の、大事な感情が潜んでいるのです。
子どもの場合は何が隠れていると考えられるのでしょうか?少し見ていきましょう。
子どもの怒りの基本は大人と同じ
まず、子どもが怒るという事に関して。
子どもが怒るのも基本は大人と同じ。
“怒る”背景には、別の感情や意思が潜んでいます。
しかし、それと同時に、子ども独特の理由が考えられます。
それは2つあります。
1つは、子どもが発達途上にあるために感情を上手く言葉で表せないこと。
2つ目は、まだまだ挫折や失敗することに慣れていないので、ストレスを受けやすいこと、です。
怒ることに繋がりやすい子どもの性格やパターンを述べていきますね。
きっちりしたい性格の子ども
性格的にきっちりしていて完璧にしたい傾向がある子どもです。
頑張り屋さんでしっかり者。
でも上手くいかなかった時に、子どもは小さな挫折を経験します。
まだ、挫折に耐えられるほど子どもは強くありませんので、大人には取るに足らないような小さな挫折にも自分の存在がおびやかされてしまいます。
特にきっちりしたい性格の子どもはそれが顕著で、上手くいかないことに耐えられなくて、それが怒る態度に繋がりやすくなります。
小さな挫折は子どもを成長させます。
怒りながらでも、それを受け入れる練習をする事が子ども時代には大切ですので、温かく見守りましょう。
そこで説教すると、お互いが主張を譲らなくてケンカで終わってしまうかもしれません。
子どもと話をするならば、まずはそっとして、子どもがクールダウンした頃を見計らって声をかけてあげましょう。
自分に自信がない性格の子ども
人には得意、不得意が必ずあります。
大人の場合は、不得意な面がはっきり意識できていて、得意な面でカバーしようとします。
例えば人の話を聞いて覚えるのが苦手な人は、聞いたことをメモに取ることで苦手をカバーすることができます。
しかし、その大人はすぐにその方法を取れるようになったのではないでしょう。
小さい頃から失敗を繰り返し、ある程度の年齢になると、その失敗のパターンを自分で認識できるようになり、代替手段を考えられるようになるのです。
大人には当たり前の行動でも、子どもはまだまだ経験不足で、すぐに代替手段を見つける事はできません。
失敗に対して自信をなくしやすい子どもは、そんな失敗に耐えられなくてイライラしてすぐに怒るかもしれません。
もし大人が何か気づいたら、「こうしてみたら?」「こんな方法があるよ」と、具体的にアドバイスをしてあげましょう。
思う通りにならないとイヤな性格の子ども
自分がこうしたい、ああしたい、という強い気持ちを持っている性格の子どもは、積極的でとても良い面もあるのですが、想定外のことに弱かったりします。
とても楽しみにしていた予定がドタキャンされるなどもってのほか!
自分の思い描いていた流れが急に変更されるなんて許されないでしょう。
すぐに怒るかもしれません。
この性格の子どもは、急な変更、自分の想定外のことにすぐに順応するのが苦手なので、見通しをもたせて予定を伝える、想定されるいくつかのパターンを伝えておくなどすると、子どもは気持ち的に楽になります。
少し大人びた性格の子ども
女の子によく見られますが、言語的な力を持っていて、自分の意見もはっきりと伝えられる、しっかり者の性格の子どもです。
観察力があるので、大人の矛盾した行動などを鋭く突いてコメントをします。
すぐに怒る性格というよりは、鋭く突いてくるので、大人がイラっとさせられてしまうのかもしれません。
子どもなりの正義感、価値観で見ています。
大人からすると矛盾だらでけでも、子どもは真剣です。
それを否定されたり、取り合ってもらえないと、信頼関係が損なわれてしまって親子関係がギクシャクしてきます。
ここは親が一歩引いてあげましょう。
そして大人びた小生意気な子どもを、観察眼のある賢い子だと認めてあげましょう。
挫折をたくさん経験してしまった子ども
ちょっと不器用で失敗することが多い。学校で勉強がわからない時があってしんどい。などのように、不得意な事が少し目立ってしまうと、子ども本人がくじけてしまって、必要以上に挫折を感じてしまうかもしれません。
また、親が子どもを否定的に叱る事が多い家庭では、子どものそんなくじけた心に追い打ちをかけてしまって、子どもを追い詰めてしまうことになります。
小さな心を痛め、どうにもならない苦しい思いが、怒るという行動につながっていることがあります。
特に小学校に入ると、嫌でも競争しなければなりませんし、それを避けて通ることもできません。
どんな子どもでも負けて悔しい思いをしたり、小さな挫折を繰り返しますが、少し不器用な子どもには少し配慮が必要です。
親は我が子の不甲斐ない行動に苛立って、ついつい叱りつけたり、ため息をついたりしてしまうかもしれませんが、一番辛いのは子どもでも本人です。
温かく励ましながら、子どもの心に寄り添ってあげましょう。
そして小さな成功を一緒に喜んで、親子で乗り越えていきましょう。
集団生活がやや苦手な子ども
このタイプの子どもは集団生活が苦手だと意識しているので、余計にお友達に嫌われないように、と、精一杯学校で頑張ってきます。
そして、その反動がホッとできる家で出てしまい、家でイライラと怒りっぽくなってしまったり、特に母親に当たり散らす事が多いです。
学校で頑張った疲れと、親への甘えです。
ある程度はそっとしておいてあげましょう。
お家で楽しむことを、子どもさんと一緒に考えてください。
言語表現が苦手な子ども
女の子は聞かなくても学校の様子をペラペラ喋ったりしますが、男の子は口下手だったり、必要なこと以外は喋りたがらなかったりします。
また男の子は言語表現力が充分じゃなくて、自分の感情を伝えるのが苦手な子どもも多いです。
だから上手く言えなくて、ついついかんしゃくを起こしたり、物に当たってもどかしさを表現したりします。
コミュニケーションは言葉だけではありません。
そういったパフォーマンスは非言語的なコミュニケーションと呼ばれるもので、意思表現の一つの手段だと理解してあげて、温かく見守りましょう。
「こういう気持ちなの?」と気持ちを言語化してあげると納得してくれるかもしれません。
子どもさんは遊べていますか?
子どもの心身の成長には、遊びを“遊び尽くす”事が必要です。
友達と遊びたい。仲間を作りたい。そんな社会的な欲求を満たすという側面もありますが、遊びには“癒し”の効果があります。
遊びは健全な心の成長にはなくてはならないものです。
しかし現代の子どもは、遊ぶスペースも限られていて、思い切り身体を使って遊ぶ機会が少なかったり、放課後に習い事などがあって、約束しないとなかなか遊べません。
もし遊び不足が原因で怒る傾向にある、と感じられたら、少し子どもをリラックスさせてあげましょう。
自由な時間を作る。
ぼーっとできる。
そんな時間を確保してあげましょう。
子どもは健全に育つようにできていますから、少し工夫してあげて、あとは子どもの回復力を信じてあげましょう。
依存しているものはありませんか?
ゲームや携帯などは今の子どもには必須のアイテムです。
適度に遊べて、子ども同士で楽しめたらとても良いですね。
しかし、もしゲームや携帯が手放せない。
生活が昼夜逆転しそうな勢いでやってる。
ゲームや携帯がないとイライラしてすぐ怒る。
そんな様子が見られたら、依存気味なのかもしれません。
是非、思い切ってゲームや携帯に支配される生活を、一旦中止してみてください。
始めは怒るかもしれませんが、慣れてくると、以前のような明るい子どもさんに戻りますよ。
子どもは精神的な発達がまだまだ未熟なので、ハマりやすく依存もしやすいものです。
何事も過度な使用を避けて、適度に楽しむようになればいいですね。
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観察して書いてみよう『怒り日記』
子どもの性格を見ていると、親はなかなか“心配”からは解放されません。
大切な我が子ですから、心配するのも無理はありません。
どう接してあげたらいいのか分らなくなった時、一度『怒り日記』をつけてみてください。
まずは怒る前の状況。
どんな状況にあったのかを記録します。
次に、その状況に対して、子どもがどう怒ったかと、それに対して周りの人がどんな反応をしたかを記録します。
最後に、その結果どうなったか。
例えば、子どもと一緒に買い物をしていた→子どもが急に走り出して親から離れようとした。お母さんはカッとなって、走る子どもの洋服を掴み「どこ行くの!お母さんから離れたらダメでしょ!」ときつく叱る→子どもは大声で「イヤ!」と叫び、大声でわめいたり泣いたりした。という具合に記録していきます。
子どもは目についた物の方にパッと行ってしまう傾向があります。
もしかすると、子どもさんは美味しそうなお菓子に目を奪われて、見に行きたかっただけかもしれません。
子どもには子どもの理由があるでしょう。
それを尋ねずに急に叱られたら、子どもも納得できないかもしれません。
じゃあ、こんな時はどうしたらいいか?と考えます。
どうしたら上手くいったでしょうか?
人によっては答えは様々です。
状況から見て、買い物前に「今日は人が多いから迷子になるよ。お母さんとお手々を繋いで買い物しようね。」と伝えておいたら防げたかもしれません。
またある人は「お母さんから離れる時は一声かけてね。どこに行ったか心配するから。」と声をかけておくと良かったと感じるでしょう。
答えは一つではありません。
いろいろあっていいのです。
『怒り日記』をつけていると、案外、親が怒りのきっかけを作っていたと気づかされる事もありますよ。
発見が多くて役に立ちますので、子どもの怒る性格が気になる方は是非つけてみてくださいね。
まとめ
短気で怒りやすい性格の方も沢山いますが、怒る感情は基本的に誰にでもあります。
しかも、怒る感情と上手く付き合うのは案外難しいものです。
大人でさえ手を焼く“怒る感情”。
子どもにとってはとっても難しい感情です。
しかも人生経験が浅くて、感情と向き合うノウハウも獲得していませんし、感情表現をするだけの言語的な力も洞察力もありません。
だから怒ったり、かんしゃくを起こしたり、悔しくて泣いたりするのはとっても自然な事です。
親は「あなたはもう○才なんだから、しっかりしなさい」と叱るかもしれませんが、“まだ○才”です。
くじける経験も、挫折する経験も、怒る経験も全部、分別のある大人になるための貴重な経験です。
是非とも温かい目で見てあげてください。
小学校5年から6年生になると、少しづつ自分を客観的に見ることができるようになり、怒りをコントロールする技術がグンと上がってきます。
それまで、温かい目で見守って行きましょう。
また、下記は子どもと怒りに関する記事と、親御さん自身の怒りの記事です。併せてご覧ください。
⇨子どもにすぐ怒る私。やめられないのは虐待?正しい育児って?
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