「年金」と聞くと、定年退職した後にいただくもの…っていうイメージがありますね。
でも、年金はそれだけではありません。
実は、がんでももらえるんです!
スポンサードリンク
皆さんは知っていましたか?
今回は障害の種類の中から、「がん」をテーマに障害年金についてまとめたいと思います。
これを機会に、ぜひみなさんも知っておいて下さい。
年金ってどんなものがあるの?
まずは年金についてみてみましょう。
年金の種類って?
20歳になると誰でも年金に加入することが義務付けられていますね。加入する年金には次のようなものがあります。
- 国民年金:学生さん、自営業の方、主婦などが加入する年金
- 厚生年金:会社員の方が加入している年金
- 共済年金:公務員の方たちが加入している年金
こうした様々な年金に加入してきちんと納入すると、ある条件が整ったときに経済的な面での保障が得られます。
では受け取れる年金の種類を見てみましょう。
- 老齢年金:65歳になったらもらえる年金です。皆さん「年金」と聞くと、この年金を連想するのではないでしょうか?この年金があるから、みなさん、安心してて定年退職を迎えられますね。
- 遺族年金:家計を支えていた方が亡くなった時に、その配偶者と子どもさんに支給される年金が「遺族年金」です。
- 障害年金:身体的な障害、精神的な障害、内臓など身体の内部の障害。そんな障害を負ったときに経済的な保障が得られるのが「障害年金」です。
年金の中でも、「障害年金」という言葉はあまりなじみがないかもしれません。今回テーマになっている「がん」は、この「障害年金」の対象になっている病気です。
障害年金について
今度は「障害年金」についてみていきますね。
❝障害❞って聞くと、手足がマヒしていたり、事故の影響で後遺症が残ってしまったりするのを思い浮かべるかもしれませんが、障害には様々な種類があります。
実は、以下のような種類があるんです。
- 外部障害:身体の表面部分の障害です。手や足、目や耳などの障害を指します。
- 精神障害:精神や知的、脳の機能の障害です。統合失調症やうつ病、認知症、てんかん、知的障害、発達障害を指します。
- 内部障害:身体の内部の障害です。呼吸器疾患、心臓の病気、心臓の病気、肝臓の病気、血液の病気、糖尿病、がんなどを指します。
障害と言ってもいろいろな種類がありますね。
この中で、がんは内部障害に含められていて、一定の条件を満たすと「障害年金」の対象になる・・・ということです。
がんがどんな状態だったら対象になるの?
どんな状況になれば、がんが障害年金の対象になるのでしょうか?
1.支給されるための条件
- まずは保険料をちゃんと納めていることが大前提です。一定期間以上の未納がないことが条件になります。
- 年金に加入している間に病気が見つかって、ちゃんと診察を受けていること(その日のことを初診日と言います)。
- 一定の障害の状況が続いていること
この条件が満たされていて、しかも初診から1年6か月以上経っていることが大切です。1年半経った時が「障害認定日」となり、その日から「障害年金」を申請することができるようになります。
しかし、がんの手術の結果、人工肛門をつけたり、膀胱を作ったり、喉頭を摘出した場合などは1年6か月が経っていなくてもよくて、そんな状態になった日が「障害認定日」として認められます。
2.がんを対象にした認定条件もあります
がんで障害年金を申請するときは、悪性度やいろんな検査の結果、転移の有無、病状の経過、治療の効果など、いろんな医学的な情報が必要です。
そして、日常生活がどれくらい困難かということも見ていきます。これらを全部、総合的に判断して審査され、判定を受けます。
判定の結果、障害年金は1~3級の3種類と、非該当に分類されます。基準は以下のようです。
《1級》長期間安静にすることが必要、そして日常生活がかなり困難な状況。身の回りのことができず、介助が必要。生活の範囲がベッド周辺になってしまうことが目安です。
《2級》やはり1級と同じように長期間の安静が必要で、日常生活が制限を受ける状況。身の回りのことはある程度できるけれど、寝ていることが多く、外出するのにも誰かの手を借りる、というのが目安です。
《3級》歩くことや身の回りのことはできますが、身体の機能が制限され、仕事にも制約や制限が加わってしまう状況です。とても倦怠感が強い状況です。
障害年金はいくらもらえる?
障害年金は障害基礎年金と障害厚生年金の2種類の年金があります。
障害厚生年金は、厚生年金をかけていた方を対象に支払われる年金です。1~3級の等級があり、等級と加入していた期間によって支払われる金額が変わります。
障害基礎年金は、障害の等級が1級か2級と判定された方全員に支払われます。障害厚生年金をもらっている方も、1級か2級であれば、この基礎年金ももらえます。
障害基礎年金の1級は、年間約98万円。2級は、年間約78万円が支払われます。また、家族に子どもさんがいる場合は、子供一人当たりに年間約23万円が加算されます(3人目からは7万5千円)。
スポンサードリンク
がんの方が年金をもらうって抵抗ありますか?
障害年金と聞くと、やはり“がん”はなかなか浮かびませんね。
実際にがんで年金を申請している方は非常に少ないと言われています。
65歳になると老齢年金をもらえますが、それを前倒しでもらい、その方の生活を充実したものにしてもらうのが、この障害年金の目的です。
年金をもらうのは、厚生年金などを長年コツコツと支払い続けた方にとって与えられている当たり前の権利です。
もしその方がお若くて、でも65歳まで命をまっとうできない厳しい環境で生きておられるのなら・・・。
65歳から老後の楽しみとしてもらえるはずだった年金を前倒しでもらい、残されることになる家族と一緒にそのお金で楽しみながら、大事な思い出を作るのは当たり前のことだと思いませんか?
お医者さんの中には、理解がなくて「がんのあなたがなんで年金なんか申請するの?」と心無い言葉を投げつける方もおられるようです。
でも。
人生の最後を良い思い出で埋め尽くして、何が悪いのでしょうか?
ちゃんと年金を払い続けた方の権利です。
しっかり申請して、有意義に活用していきましょうね。
まとめ
厚生年金や国民年金といった公的人金をちゃんと納めていれば、いざというときに経済的な保障を受けることができます。
身体的な障害、精神的な障害、身体内部の障害があると「障害年金」を受け取ることができます。
がんもその対象となっていて内部障害に位置付けられています。
障害年金には障害基礎年金と障害厚生年金があり、1級か2級に認定された方はどちらも受け取ることができます。障害厚生年金は3級の方も受け取ることができます。
障害年金の認定には、医学的な様々な情報と、日常生活の情報とを合わせて、総合的に判断されます。
1級の条件は身の回りのことが十分にできず、行動範囲はベッドの周囲が中心です。
2級の条件は日常生活の制限が大きく、外出には手助けが必要です。
3級は身体の機能が制限されて、仕事に制約が出てきます。
障害年金は老齢年金を前倒しでもらう仕組みでもあります。
もし上記のような条件に合う方はぜひとも申請して、有意義に過ごすために上手に利用していきましょう。
障害年金に関する記事です。こちらもご覧ください。
⇨【保存版】障害児と障害年金。成人するまでにしておきたい3つのこと
スポンサードリンク