共働きの家庭が増え、祖父や祖母に子育てを手伝ってもらう家庭がとても増えているようです。
目に入れても痛くない孫。
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でも体力に限界を感じたり、孫の両親である我が子に気を遣うなど、祖父も祖母もイライラして、ついついすぐ怒る事もあるのではないでしょうか?
怒ることのない、楽しい“孫育て”をするためにはどうしたらいいのかを考えてみませんか。
必要とされる祖母と祖父の助け
平成26年に行われた内閣府による「家族と地域における子育てに関する意識調査」では、子育て世代から見た、祖母や祖父の子育て参加についての意識調査が行われています。
そして「祖母や祖父の子育てや家事の手助けを望ましいと感じるか?」の問いには、46.2%の人が「とてもそう思う」と答え、「ややそう思う」を入れると、8割強の方が祖母や祖父の育児参加を望んでいる事が分かりました。
祖母や祖父に期待する手助けは、祖母・祖父共に次のようになります。
1位 子供の話や遊び相手をする
2位 子供に自分の経験や知恵を伝える
3位 日常生活上のしつけをするが上位を占めていました。
4位は、祖父には「 幼稚園などの送迎」が来るのに対して、祖母には「 食事の用意」「 子供が病気の時に病院に連れて行ったり看病する」 となり、なかなか他人にはお願いしにくいことを祖母に手伝って貰いたいと感じている事が伝わってきます。
“孫育て”は楽しい?辛い?“孫育て”の実態
若い世代の方が、祖母や祖父に子育てを手伝ってもらうのは望ましいと感じている事が、この調査からは見えてきます。
祖父母が持っている生活の知恵や、昔ながらの素朴な遊び、人との関わり方など、高齢者から学ぶことは沢山ありますよね。
若い親世代の方も、そんな事を望んでらっしゃるんですね、きっと。
一方で、祖母も祖父も、可愛い孫のために役に立ちたい。我が子の生活を援助してあげたい。と考える方も多いと思います。
最近では、そうした生活背景を受けて、最近“子育て”ならぬ、“孫育て”と言う言葉も出てきました。
“孫育て”から想像するのは、目に入れても痛くない可愛い孫が祖母や祖父に甘え、それを孫の両親である我が子が、温かい目で見守る姿…。
考えるだけでも幸せそうな三世代の交流です。
でも実態はそう甘くはなく、世代間に見られるトラブルや、目に見えないストレスが見られるようです。
どんなトラブルがあり、どんな事で祖母や祖父は怒るのでしょうか。
祖母・祖父がすぐ怒る理由
これは週刊朝日の記事から抜粋したものです。
孫や子供のために頑張る祖母や祖父の本音が書かれた記事で、祖母や祖父が不満を感じて怒ることや困る事が書かれていました。
以下が祖母や祖父の本音です。
分かる気がしますし、これを読んでハッとする親もいらっしゃるのではないでしょうか。
・毎日、孫の送迎をしているのに娘から感謝の言葉ひとつない
・自分の習い事を後回しにしていることを娘がわかってくれない
・孫がぐずったとき、どこまで叱ればいいのかわからず、困り果ててしまう
・孫に会うと発生する食費や交通費が馬鹿にならないのに払ってくれない
自営業やめるケースも 「孫育て」を負担に感じる祖父母の“本音”(週刊朝日 2014年9月14日)
孫の親が感謝の気持ちを持たないのですぐ怒る
働く親は毎日が精一杯です。
仕事が終わったら、ダッシュで子供の元に。
ご飯を食べさせて、お風呂に入れて、寝せて…。
洗濯や後片付けが終わったら、もう寝る時間。
一旦座るともう身体は動かないので、座れない。
休みの日は家の掃除が終わったら、子どもサービス。
どこかに遊びに連れて行かなければなりません。
本当はゆっくり休みたいのに…。
そんな時に一番頼りになるのは“親”ですよね。
子どもの祖母も祖父も、そんな家庭状況を理解して、きっと喜んで手伝いをしてくれる事でしょう。
でも、どこかにありませんか?こんな気持ち。
「実の親だから頼りやすい。私たちの気持ちは判ってくれているだろう。」
「私達は働いて偉い。救いの手があって当然。」
「孫の面倒を見れるのは、祖母にも祖父にも喜び以外はないだろう。これが究極の親孝行。」
そんな気持ちで、預かって貰っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
でもいくら孫の祖母や祖父でも、毎日面倒を見るのは大変です。
年々体力がなくなり、身体が辛くなります。
若い親以上に、体力も気力も使い果たしてしまいます。
そこに、“祖母や祖父が見て当然”という顔をされたらどうでしょうか。
祖母や祖父は口にこそ出しませんが、心の中では怒っています。
小さな事でも必ず声に出して感謝の言葉を述べましょう。
自分の人生を生きる事が出来ないのですぐ怒る
特に祖母は、今の時代とは違って“家庭を守るのが主婦の務め”と言う時代に生きて来ました。
夫を支えて、子どもを一生懸命に育ててきた半生。
子どもが独立して、やっと自分の時間が持てるようになる…と思ったら、今度は“孫育て”。
少しでも我が子の助けになれば、という思いで、一生懸命に孫を見ている事でしょう。
でも、祖母自身は自分の人生を生きられているでしょうか?
祖母はずっと何かを殺して生きていませんか?
祖母の心の中にはそんなわだかまりがあって、どこかでイライラして怒る感情を持っているかもしれません。
可愛い孫と子どものためではあるけれど、でも怒る…。
そんな揺れ動く気持ちの中にあるかもしれません。
孫育てが経済的にひっ迫するのですぐ怒る
子どもと孫を思って手助けしているけれど、孫に作ってあげる食事の食費も、お出かけした時の交通費も、孫の家に行くための交通費も全部、祖母や祖父が負担。
子ども達からは何も言ってこない。
こんな状況が毎日続くとどうでしょうか。
祖母や祖父は立派に働いてきたとは言え、年金暮らしで収入には限度があります。
貯蓄も、将来の健康的な不安を考えると無駄には手を出せません。
貴重なお金が毎日消えて行く心細い日々。
子どもとは“お金のことでもめたくない”と言うのが本音ではないでしょうか。
目減りして行くお金に対して、不安を感じると同時に、子ども世帯へのイライラした気持ちが湧いてくるものです。
すぐ怒る原因は、そんな毎日の小さな積み重ねにあります。
親しい仲にも礼儀あり。お互いに気持ちを伝える事が大切です
祖母も祖父も、子ども達が一生懸命に生きているのを知っているからこそ、怒る気持ちを抑えて、黙々と孫の面倒を見ているかもしれません。
祖母達は言いたくても何も言えないでしょう。
ただ孫の親達は、祖母達は時間も体力も、自分らしく過ごす余暇も削って、いろんな犠牲のもとで生活が成り立っていることを自覚する事が大切です。
感謝の心を忘れずに。
同時に、祖母達も我慢しすぎると良くありません。
円滑に過ごそうと思っても、怒る気持ちは抑えきれません。
そもそも怒る感情を抑える事自体が、お互いの関係維持には良くありません。
祖母達も、伝えたいことはきちんと伝えましょう。
孫の親達も、祖母達と良い関係を築いていきたいと願っているはずです。
そんなに怒っていた…と知ったらショックです。
何故もっと早く打ち明けてくれなかったのか…と残念な気持ちになるでしょう。
お互いが気持ち良く過ごす事が出来、お互いが自分の人生をちゃんと生きられる。
誰も犠牲を作らない。
そんな関係を心がけて、気軽に話し合える関係になれるといいですね。
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最新の育児を学びましょう
祖母世代の育児と、現在の育児では方針が変化している点があります。
特に、育児に関わる祖母はそんな知識を持っておくと、育児方針の違いでイライラしてすぐ怒ることもなくなるかもしれません。
離乳食は果汁から始めない
果汁を摂取しすぎるとミルクからの栄養が不足してしまうそうです。
口移しはしない
虫歯菌は人の口から口へ感染します。スプーンを共有したりも良くないそうです。
日光浴はほどほどに
オゾン層の破壊で強い紫外線は皮膚ガンのリスク因子となっています。
強い日差しを避ける、日焼け止めを塗ることも大切です。
“断乳”から“卒乳”へ
以前は1歳くらいでやめましょうと言われた“断乳”。
今は、もっとゆっくり。
子どもがやめたいと感じたタイミングで“卒乳”しましょう。
他にも色々な常識が変わっているかもしれません。
孫の親達と子育ての方法を巡って対立し、すぐ怒るのはお互い疲れます。
新しい知識を取り入れて、孫の親世代と一緒に、同じ方向を向いて楽しく“孫育て”をしましょう。
まとめ
祖母や祖父にとっては子どもも孫も可愛いし、幸せになってほしいと願って、積極的にお手伝いしている方も多いと思います。
でも、自分達だけが我慢を重ねてしまうと、イライラとすぐ怒る感情が生まれてしまいます。
子ども世帯も、祖父母世代は体力的に辛いこと、経済的にも楽ではないことを知って、感謝と労わりの気持ちを持っておくことが大切です。
誰かの犠牲で成り立つ関係は良くありません。
世代間のギャップを埋めるためにも、何でも言える関係を作りましょう。
意識しないとなかなか出来ない関係です。
大切な孫が健やかに成長してほしい…と願う気持ちは祖父母世帯も親世帯も同じです。
みんなで同じ方向を向いて、楽しく無理なくいきましょうね。
最近は“孫育て”に関する本が沢山出ています。
また、さいたま市では、“母子手帳”ならぬ“祖父母手帳”が発行されています。
ダウンロードできますので、興味のある方は読んで見てください。面白いですよ。
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