周りの子どもはとてもお利口さんなのに、それに引き換え我が子はホント情けない…。
とても育てにくい子で、手を焼いて。
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そんな我が子を見て、もしかして発達障害?と感じたことはありませんか?
発達障害と子どもの行動の意味、注意点をまとめました。
子どもが育てにくい理由
可愛い赤ちゃん時代でさえ、子どもは自己主張する事をやめてくれません。
お腹が空いた。
眠い。
抱っこ…。
声を振り絞って泣いて訴えてきます。
余裕なんてありませんよね。
無我夢中で子どもの要求に応えるだけでヘトヘト。
もう、子どもの泣き声はモンスター以外の何者でもありません。
それなのに、夜中にまた泣いて。
親まで泣きたくなりますね。
しかし、赤ちゃんが泣くのは、他の動物にはない独特のコミュニケーション手段です。
子どもが泣いて訴え、強烈にアピールすることで自分を守ってもらわなければ、早産状態で生まれた人間の子どもは1人では生きていけません。
そしてここから、人としてのコミュニケーションが生まれ、親との絆が生まれてきます。
だから、子どもは本来強烈で、手がかかってとても育てにくい存在であり、強烈な自己主張を持っているからこそ生きていけるのです。
赤ちゃん時代も、その後の乳幼児期も、こうした自己主張を通して子どもは成長して生きます。
我が子は思った通りに動いてくれませんし、思った通りに成長してくれません。
“育てにくい子”と感じるのは、子どもがちゃんと自己主張して、健やかに成長している証でもあります。
しかし中には、関わり方に少し工夫があった方が、お互いにとって良い場合があります。
発達障害の子ども達です。
発達障害の定義はとっても複雑で曖昧です
発達障害という言葉はよく耳にしますが、漠然としていて分かりにくいですね。
発達障害とは、社会的な生活を営む時に何らかの困難性を持つ障害で、本当に漠然として曖昧な定義を持ちます。
例えば私たちが毎日生活する中で、何かが“苦手”、何かが“しんどい”と感じる人は多いはずです。
ある人は「人の話を覚えるのが苦手」で、ある人は「操作の手順を覚えるのが苦手」だったりします。
でも、苦手なことがあっても「人の話を覚えるのは苦手だけど、メモを取ることでカバーできる」「操作の手順を覚えるのは苦手だけど、写真を撮って視覚化すると大丈夫」と、苦手をカバーできる方法を見つけられれば、生活には困りません。
私たち大人は、苦手なことはあっても、大抵はこんな代替方法を見出して、何とか社会を渡り歩いています。
だから社会に適応できて“発達障害”とはなりません。
しかし同じ場面でも、ある人にとっては、それがとても難しくて“とても適応できない状態”になってしまうことがあります。
同じく操作が苦手な人が、「操作の手順が覚えられない。工夫してもダメ。混乱して、緊張して。挫折ばかりを味わって、もう会社に行けない」となると、問題は深刻になり、1人では抱え込むには難しい課題が増えていきます。
こうなった時に“発達障害”と診断がついていきます。
つまり、“社会”という曖昧な因子に、これまた適応・不適応という、極めて“主観的な”要因が影響するのが、“発達障害”の定義になります。
特に子どもは発達途上です。
社会性も未熟なので、社会との関わり方や、適応・不適応の度合いが年齢と共に変化します。
診断は、詳しい情報を元に判断なされることが必要ですが、特に子どもの場合は、育った歴史や家庭背景、生活環境を注意深く観察して判断する事が必要です。
診断がついたらどうしたらいいの?
診断は“つけて終わり”ではなく、“これからどう配慮して育児していくのか”を知る為のパスポートだと考えてましょう。
もし、診断名がついてしまったり、「グレー」だと言われたらとてもショックです。
親の悩みは深刻になり、それがきっかけで精神的に調子を崩してしまう親も沢山おられます。
しかし、子どもにとってはとてもラッキーな事なんです。
だって、子どもは何らかのしんどさを抱えていても、「私は、僕は、こういう事がしんどいんです」と口で伝える事が出来ません。
周囲が気づいてあげないと、子どもは辛さを抱えたまま誰にも言えず、失敗と挫折を沢山経験することになるからです。
周囲の大人が子どもの特性を知り、子どもに応じた指導をしてあげると、子どもは成功体験を積んで、自信を持って生きていく事が出来るようになります。
小さいうちからしっかり支援を受けた子どもは伸びます。
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育てにくい子はどんな子?
では、育てにくい子だと感じるのはどんな点なのかを見ていきましょう。
少し注意して様子を見てあげると良いのはどんな子でしょう。
多動
小さな子どもさんですと、多動の問題は多いのではないかと思います。
特に男の子は活動量が多くてエネルギー量が高い子どもが多いですからね。
小さな子を抱えた親の“悩みトップ5”にも「多動」が入っています。
買い物に行くとテンションが上がって親元から離れて何処かに行ったり、食事中にも立ち上がってウロウロしたり。
いくら叱っても変わらないので、親はイラっとして怒ってしまいますね。
多くの親は子どもの多動に悩んで、育てにくいと感じます。
しかし、多動はあまり気にする必要はありません。
子どもの多動は2〜3歳頃がピークです。
それからは少しずつしっかりして落ち着きが出てきます。
小学校低学年でもよく動く子どもは沢山います。
小学5〜6年になるとほとんどの子どもは落ち着きを見せます。
“ネジを巻いたように”何かに突き動かされるように絶えず動いてしまう子ども。
危険を感じることが苦手でとても高いところに登って平気で走ったり、車が近づいているのに平気で飛び出してしまったり。
保育所などで、座って聞いていなければならない場面で座れなかったり。
集中力がなくて、少し遊んでは次に行って目移りしてガサガサ動く。
そんな子どもは少し様子を見ておいてください。
かんしゃく
子どもはちょっとした事でも怒ります。
まだ感情のコントロールが下手なのと、言葉で気持ちをうまく伝えられないからです。
かんしゃくは、子どもなりの精一杯の自己表現だと解釈すれば、親も穏やかに対処できるかもしれません。
ちょっとした事でもすぐに怒りモードのスイッチが入ったり、怒り方がとても激しい。
何かにつけて「でも…」と反抗したり、他人への暴力が激しい時は、少し様子を見ておいてください。
こだわり
3歳前後の子どもはよく、お気に入りの服以外は着なかったりと、こだわりが出てくることもよくあります。
“自我”と呼ばれる、自分の意思が芽生えてくるからです。
自己主張できることはとても素晴らしいことです。
子どもの意思を尊重してあげることも必要です。
新しい場所や初めて会う人になかなか慣れない。
幼稚園に入っても、何ヶ月も慣れなくて泣く。
場面の切り替えが苦手で、長時間、激しくごねる。
自分なりのルールがあって、頑なにそれを守ろうとする。
不意の変更がとても苦手で、予定と違ってくるととてもうろたえたり怒ったりする。変更がきかずにとても頑固。
そんな、いくつかの場面でこだわりが強く見られる時は、少し様子を見てください。
神経質
感受性が豊かで繊細な子どもも沢山います。
子どもの個性は認めてあげましょう。
音に敏感で、掃除機やドライヤーの音が嫌い。
遠くで聞こえる音にも敏感に反応する。
大きな音や不意に鳴る音を怖がる。
肌に触れる物に敏感で、服のタグやジッパーが嫌い。
突然触れられるのを嫌う。
手を繋がれたり頭を撫でられるのが嫌い。
初めて触るものが苦手。
初めて食べる物が苦手。
暑いのが苦手。
寒いのが苦手。
こんな事を怖がるの?と思う場面が多い。
不安が強くて母から離れられない。
など、いろいろな面で敏感さや不安の強さが見られる時は、少し様子を見てください。
不注意
忘れ物をよくする子どもは多いです。
小学校時代を“忘れ物の王者”で通す子どももいますね。
大人でもおっちょこちょいの人はいますから、ちょっとした不注意はよく見られます。
忘れ物が非常に多いだけでなく、忘れている事を忘れる。
帰宅したら手を洗う…など、日常よく行う作業が定着しない。
作業の手順がなかなか覚えらえない。
よそ見が多いので、よくこけたり怪我をする。
手元を見て作業をしない。
不注意の子の中には、思い立ったらすぐに体が反応して動いてしまうような衝動性を持った子どももいます。お話ししたいと思ったら、相手が話し中でも話しかけるような、そんな思いつきの行動の多さを指します。
これらの行動が目立つ時は少し様子を見てください。
人に関心が薄い
マイペースな子やおっとりした子はいます。
それは個性なので大切にしましょう。
ここでいう、人への関心の低さとは、人に関心を示さずに一人遊びが多い。
人見知りがきつくて母から離れられない。
あるタイプの人を怖がる。例えば、メガネをかけた男性に近づかれると大泣きする。
自分がリードして自分のペースで遊べる年下の子供や、配慮してくれる年上の子とは遊べるけれど、同年代の子になると難しくなる。
目を見て話さない。
あるいは、子から要求する時は目を見るが、人から働きかけられた時には目を見て返事ができない。
指差しのような、人とコミュニケーションを取る行為をしようとしない。
このような状態が、“人への関心のある低さ”に当たるかと思います。
もし、そんな様子が目立つ時は少し様子を見てください。
感情や表情が分かりにくい
叱っているのに手応えを感じなくて、子は叱った直後からケロっとしている。
叱られた事を覚えていないかのように、甘えてくるから腹が立つ。
親が疲れているのに全く察知してくれない。
悲しい表情やつらそうな表情など、人の感情や人の表情に無関心で、気づいて、人に配慮する様子が見られない。
こんな点で育てにくさを感じていませんか。
当てはまるようでしたら、少し様子を見てあげてください。
まとめ
子どもが自己主張できることは成長の証です。
親は育てにくいかもせれませんが、子供達の言い分をまずは受け止めてあげて、子どもの成長を認めてあげましょう。
しかし一方で、育てにくい子の中には、発達障害があって苦しんでいる子どももいます。
彼らは自分が苦しんでいる事を声にあげることは出来ません。
診断名がついてしまうことの恐怖感はあるかもしれませんが、育てにくさに不安を感じる時は、なるべく早く専門家に相談する事をお勧めします。
早い段階から特性を理解してもらい、適切に関わってもらえた子どもは、本当に変化します。
専門家への相談を、“子どもが新しい扉を開く”為のパスポートだと前向きに考えて、一歩を踏み出してみましょう。
地域の保健師さんは心強い味方です。
まずは保健師さんに相談して、子どもの関わり方をアドバイスしてもらってください。
発達障害があるかどうかは別にして、「人に話してみる」「人に相談してみる」と、新しい気づきを得る事が出来ます。
明日からの子育てのヒントを、きっと得る事が出来ますよ。
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