障害支援区分って聞いたことがありますか?
えっ⁈
障害?区分?
何を区分するの?
疑問がいっぱいな言葉です。
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しかし大人の障害者の方にとってはとても大事な区分で、これがないと、働いたり、独立したりすることができないんです!
えっ?そんな制度があるんだ…って思いますね。
今回は『障害者総合支援法障害支援区分認定ハンドブック』(障害者福祉研究会)という本を基本に、大人の障害者の方の仕事や生活についてまとめたいと思います。
障害支援区分って一体なんですか?
一体障害支援区分って何でしょうか?よく似たシステムの介護認定と比べてみますね。
介護保険でサービスを受けるには審査が必要ですよね?
65歳になると、必要な時に介護保険を使って、いろんなサービスを利用できるようになりますよね。
デイサービスや訪問看護、訪問介護、訪問入浴など、様々な種類のサービスが使えます。
このサービスを使いたい時は
という手順を踏んで、決定に従って、いろんな種類のサービスを使うようになりますね。
障害者の方も審査を受けるんです
それと同じように障害者の方も様々な種類のサービスを受けるのに審査を受けることが必要なんです。
ただし、今回ここでいう❝障害者❞とは、一般就労や大学などの進学を選択しない方をさします。
ここでいう❝障害者❞は、何らかの支援が必要で、福祉的なサービスや必要な方を言います。
【障害者って何歳から?】
18歳以上です。子どもは必要ありません。
【どうやって受けるの?】
介護サービスと同じ手順です。
区分の数字の意味。数字が小さい方が…
障害認定審査という審査の結果、7段階で判定されます。
非該当:支援を受けるには該当しないと判断された場合
区分1~区分6:区分1という、数字の小さい方が症状の軽い方です。数字の大きい方が支援をたくさん必要とする方、ということになります。
この種類のサービスを使いたい!と思った時。
対象者の基準を見なければなりません。区分3の人しか使えないサービスだったり、区分5,6の重度な人にしか使えないものなど、いろんな基準があります。
サービスってどんな種類があるの?
障害者本人が家や外出で受ける支援
居宅介護:お家にヘルパーさんが来てくれて、入浴の介助や調理、洗濯掃除などの家事、食事の介助を行ってくれます。
重度訪問介護:重度の肢体不自由者で、常に介護を必要とする人への家事支援、身体的な介助、介護を行ってくれます。
同行援護:視覚障害によって移動が難しい時に利用できます。外出時に同行して様々な援助を行います。
行動援護:外出するときに同行してくれて、様々な介助を行います。
療養介護:病院に入院中に、ずっと介護が必要な人に付き添ってくれるものです。
障害者本人が仕事をする時に受ける支援
就労継続支援A型(雇用型)、就労継続支援B型(非雇用型):企業などに就職するのが難しい時、A型は雇用契約を結んで、B型は雇用という形は取らないで働く場所です。かつての作業所などはここに入ります。
就労移行支援:就職を目指して様々な知識を学ぶ場所です
生活介護:本格的な仕事…まではいかないかもしれません。日中を有意義に過ごすための場所です。楽しい活動が中心のところ、ちょっとした仕事も行うところなどいろいろです。
障害者の方が親から独立したい時に受ける支援
成人すると、親から離れて自立した生活を希望する人も多いです。
また、ご両親がご高齢になって、障害を持っている我が子の世話をすることがとても大変になった時に施設入所を考えるときもあります。
いずれも、親と子が独立して、それぞれの人生を歩めるような選択肢があることはとても重要です。
共同生活援助:グループホームなどへの入所や共同生活を指します。管理人のような方がいてくださいます。必要に応じて、食事や金銭の管理などを行ってくれます。
施設入所支援:障害の種類に応じて入所できる施設があります
その他
短期入所、重度障害者包括支援、自立訓練、宿泊型自立訓練、など、いろんな種類があります。
この本はいったい何の本?
先ほど紹介した『障害者総合支援法障害支援区分認定ハンドブック』(障害者福祉研究会)という本。
一体どんな本かというと…。
実は、障害支援区分を行うときに、審査員の人がこの本とにらめっこしながら、審査をする本なんです。
いわゆる、審査員のための❝赤本❞です。
この本がないと判断できません。
支援学校の先生や、保護者の方、相談支援員の方。
子どもが18歳になって、高校を卒業するときには、この審査を受けることが必要になってきます。
将来の目標をはっきりさせるためにも、この本に一度目を通してみて、こんな基準があるんだなあと知っておかれるとよいと思います。
この本で「この子は、こんな選択をするのが一番良いかも」というのが見えてくると思います。
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障害支援区分は障害の種類や程度で決まるの?
【障害の種類によって決まるのでしょうか?】
障害の種類は関係ありません。
公平に判断されることが基本になっています。障害支援区分の基本的な考えは次の3点にあります。
- 身体障害、知的障害、精神障害、難病などの特性を反映できるよう配慮しつつ、共通の基準とすること。
- 認定調査員や市町村審査会委員の主観によって左右されにくい客観的な基準とすること。
- 審査判定プロセスと審査判定にあたっての考慮事項を明確化すること。
厚生労働省 障害者総合支援法における障害支援区分 平成26年4月より
【障害の程度によって決まるのでしょうか?】
はい。
日常生活でどれくらいのことができるかを評価します。
身体が使えるか、食事や排せつができるか。
電話ができるか、金銭管理ができるか。
意思伝達ができるか。
調理や掃除、洗濯、買い物、交通手段の利用ができるか。
もっとたくさんのことが問われます。
判断の基準は、以前とは変わってきています。
以前の判断基準では、軽く判定されることが増えたので、基準が変わったのです。
判断の基準になるのは「できなかったりできたりする場合」は「できない状況」を見ます。
❝一番良くない状況❞の時を想定して判定します。
まとめ
障害支援区分とは、障害者の方が様々な支援を利用するときに必要な認定制度です。
審査を受け、その方の障害区分がわかったら、その区分に適したサービスを使えることになります。
『障害者総合支援法障害支援区分認定ハンドブック』(障害者福祉研究会)
という本は、そんな認定審査に必要な基準が示されているガイドブック本です。
判定されるのは審査員の方ですが、障害認定区分ってどんなものかを知っておくと安心な方もおられるでしょう。
支援学校の先生や相談支援員の方は、一度この本に目を通しておられると、子どもたちの将来を考えるときに役立つでしょう。
判断基準は「できる」時ではなく「できないとき」「一番状態の悪い時」の状況を見ます。
そのことを頭に入れて調査員の方とお話しすることも大事です。
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