配偶者やパートナー、あるいは上司や同僚の中に、“すぐ怒る”“すぐキレる”男性がいて、対応に困ったり、恐怖を感じて困ってしまう事はありませんか?
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怒りには暴力が伴う事もあり、女性は男性からの暴力に反抗する事が出来なくて、大変な事態を招いてしまう事もあります。
男性が“すぐに怒る”事と“病気”とはどんな関係性があるのでしょうか?
男性がすぐに怒る理由
ー女性は、辛い事や嫌な事があっても、誰かにグチったり、相談して解決する事が多いですね。
女性はもともと、情報収集したり、コミュニケーションを取る能力が高く、辛い状況にあっても、様々な方法で乗り越えようとします。
一方で、男性は人に自分の気持ちを伝える事があまり得意ではなく、嫌な事や辛い事も、自分で解決しようとして、人に言わないで抱え込んでしまいがちになります。
つまり、男性は女性に比べて、辛い事や悲しい事と言った『ストレス』に対応するのがどちらかと言うと苦手で、ストレスにさらされやすい性質を持っているという事ができます。
つまり、同じストレスでも、そこにうまく対応できるかどうかの違いが、男性と女性とにはあるのです。
男性がすぐに怒る理由はそこにあります。
人は生きている限り、様々なストレスにさらされます。
そんな時に、自分がどう行動するかがとても大切になってきます。
先ほど述べた様に、女性はストレスに対応するのが上手で、友達にグチったり、買い物に行ったり、カラオケに行ったりと、1つだけではなく、“いくつも”、しかも“合理的に”解決する方法を持っています。
男性にも、ストレスに向き合う方法をちゃんと持っている人も沢山いますが、もともとストレスに向き合うのが苦手な事に加えて、その男性の性格や育った環境、様々な病気が影響して、適切でない行動を取ることがあります。
その行動の1つが“怒る”という事です。
男性がすぐ怒る病気とは?
ストレスを受け止めやすく、すぐに怒ってしまう病気とはどんなものでしょうか?
病気ってあるんでしょうか?
見ていきましょう。
精神的な疾患としては、『躁鬱病(双極性障害)』や『解離性障害』を持っている人は、時に攻撃的になって怒りやすくなる時があります。
双極性障害は、落ち込んでしまって鬱っぽくなる時期と、何でも出来そうに感じるくらい気持ちがハイになる時期とが繰り返されますが、躁状態の時に、感情が高まり過ぎて攻撃的になり、人が何か言うとイライラして怒り出す事があります。
解離性障害とは、ストレスを抑え込みすぎて、違う人格を作り出してしまう症状を言います。本来の人格とは全く違う人格で、攻撃的でよく怒る人格が出現する時があります。大抵は、元の人格に戻った時にはその時の記憶がありません。
人格障害としては『反社会性パーソナリティ障害』と言うものがあります。『反社会性パーソナリティ障害』とは、法律を破るような行動も平気だったり、嘘をついたり、突発的な行動を取ってしまったり、攻撃性が高くてケンカや暴力を繰り返したり、良心に欠け、人への共感性が乏しい症状を持つ人格障害です。
比較的多く存在すると言われ、100人中3〜5人の割合に見られます。
自分が絶対的に正しいと思っているので、人を軽蔑する事も平気。嘘を言っても平気なので、周囲の人を上手く丸め込んだりします。
社交性がある人も多く魅力的に見える事も多いので、始めは魅力的に感じて仲良くなると、段々その人の冷たさや共感性のなさ、強暴性が見えてきて、気づくとその人の暴力や暴言に支配されている事があります。
育ってきた環境が人格にとても影響を及ぼす事もあります。それは“虐待”です。
小さい頃から叱られたり、体罰を受けて育った子どもは、それを虐待とは思わず、コミュニケーションの手段だと間違って認識してしまい、人とのコミュニケーションに暴言や暴力を持ち込んでしまう事がとても多いのです。
その男性がが親になった時も、自分がされた方法で子育てをするので、脈々と“虐待”の連鎖が受け継がれていく事になります。
ですから、夫婦間でも、親子間でも、暴言や暴力が日常的になってしまい、すぐにキレて怒る事が当たり前になってしまいます。
怒る事と大人の発達障害ー二次障害ー
発達障害の概念が広く世の中に広まってきたのは、ほんの最近です。
早期発見・早期療育が重視されるようになり、子供の分野では随分と療育の体制が整ってきました。
しかし、それ以前の世代の発達障害の人は、発達障害の概念が存在しないまま教育が行われていたので、発達につまずいて大変な思いをしていても、周囲の誰からも気づかれずに育った事になります。
挫折したり、上手くいかない事があまりにも多い為、思春期以降に自己評価が非常に低くなってしまい、様々な場面で重い不適応を起こすようになります。
それが二次障害です。
不安障害、うつ病、強迫性障害、先ほど述べた、反社会性パーソナリティ障害などの診断を持つ人もいます。時には統合失調症と診断される事もあります。
二次障害により、何年も引きこもってしまったり、自傷を繰り返すなど、気持ちが内に内に…と向いてしまったり、逆に家庭内暴力やケンカ、詐欺のように、外、つまり反社会的な方向に走ってしまったりと、重篤な問題が様々な方向に向かって行動化されていきます。
すぐ怒る男性の中には、周囲の人も、もしくは自分ですら発達障害である事に気づかないまま挫折を繰り返し、訳のわからない不安と苛立ちに悩まされて、様々な疾患を抱えているのかも人もいるかもしれません。
また、二次障害による様々な診断がつかないまでも、社会の仕組みや社会のルール、常識、相手の感情の理解などをきちんと学習する機会を得ないまま大人になった為、男性の発達障害の人は、本来持っている発達障害の部分の問題を引きずって社会で生きていかなければなりません。
具体的に言うと、何度教えてもらっても計算が上手くできない。
手順を追って作業を覚えるのが苦手。
予定外の事が起こったらパニックになる。
「あとちょっとね」の様な、アバウトでザックリとした言葉の意味が理解しにくい。
複数人で話を雑談をしていても、話の展開についていけない。
人の顔や名前がなかなか覚えられない。
一旦、身についたルールを変えられない。
相手の気持ちが理解できないので、不愉快な事も平気で言ってしまう。
お礼や感謝、お詫びなどの言葉が使えない…などです。
さらに、発達障害の人の特徴でもありますが、そんなしんどさを抱えているのに、「助けてください」「分からないから教えてください」と、自分から助けを求める方法も獲得できていないのです。
だから、問題があるのに尋ねられない、もしくは、自分が困っているという事すら、自分でも気づいていない状という況が生じてきます。
発達障害の男性にとって、毎日の生活は理解不可能の連続です。
しかも、それを解決する為に人に教えて貰う術も持ち合わせていない為、他の人以上にストレスに満ちた毎日を送らなければなりません。
毎日一生懸命働いても、報われるどころか、どんどん自信をなくしていくのです。
そんなストレスに耐えられず、発達障害を持った男性は、イライラがつのり、
パートナーや周囲の人に対して声を荒げてすぐに怒り、時には手を上げてしまう事もあるかもしれません。
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病気や障害に対してどう対処すればいいか
子どもと違って、大人の場合は、人に言われたから…と素直に病院に行ったり、相談機関を訪れたりはしません。
今ある症状に苦しみ、何とか治療を受けたい、と男性ご本人が強く望まなければ、なかなか治療に結びつきにくいのが現状です。
一般的に男性はプライドが高く、周囲の人からそんな事を言われるだけで、“自分の事を認めていない”とへそを曲げてしまったり、“自分の事を非難ばかりする”と被害的に取ってしまって、せっかく親切でアドバイスしてくれた人に対して怒りを向けてしまい、状況をさらに悪化させてしまう事にもなり兼ねません。
本人が治療を受ける意思がある時は、周囲の人もしっかりと病気や障害と向き合い、時間をかけて取り組んでいきましょう。
もし、男性ご自身に治療を受ける意思がない時は、周囲の方がまず相談に行く事をお勧めします。
心療内科や精神科。発達障害なら、都道府県には必ず設置されている「発達障害者支援センター」に相談に行かれると良いでしょう。
ストレスにどう向き合えばいいかの具体的なアドバイスを貰えると良いですね。
発達障害の男性の場合は、具体的な行動の仕方、具体的な言葉の使い方を伝えてあげるのはとても良い方法です。
いずれも、ご本人の自信や自己肯定感はとても低くなっています。
「こんな所がとても良かったよ」と、良い点をしっかりと伝えてあげましょう。
時間はかかりますが、積み重なった人への不信を信頼に変える事が、回復への一番の近道だという事ができます。
まとめ
男性は『ストレス』に対応するのが苦手で、ストレスにさらされやすい性質を持っています。
それに加えて、性格や環境、様々な病気、障害が影響して、“怒る”と言う行動に発展してしまいます。
一方で、大人の人を治療に繋げる事は難しいものです。
ご本人に治療を受ける意思がある時は、周囲の人もしっかりと病気や障害と向き合い、時間をかけて取り組んでいきましょう。
もし、ご自身に治療を受ける意思がない時は、周囲の方がまずは、怒りの本質を理解する事が大切です。
ストレスへの向き合い方、対処の仕方を学ぶ事はとても重要ですし、発達障害の場合は、更に具体的な行動の仕方、具体的な言葉の使い方を学ぶ事が大切です。
低くなっている自信や自己肯定感を回復させる事も非常に重要です。
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