気に入らないことがあるとすぐに泣く。
わめく。
ごねる。
そして、叩く…。
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子どもは、何かあるとすぐに怒って、手がつけられなくなりますよね。
いくら優しくなだめても一向に怒ることをやめない我が子を見て、こちらも怒りが爆発…。
ついつい大声で叱っちゃう事って、よくありますね。
毎日、繰り返されるこんな戦いに、ふと「もしかして、ウチの子って病気なのかも?」
って心配になる事はありませんか?
病気の可能性ってあるんでしょうか?
一緒に考えてみましょう。
子どもが怒ってしまうのは何故か?
1歳を過ぎると、子どもは1人で立って歩き始めます。
自分の思った場所に行き、自分のしたい事ができるようになり、まさしく“自分の足で立って”自立の道を歩み始めます。
それまでは抱っこをして、優しく見守るだけだった我が子は、自分の意思でどんどん行動を始めて、活発さを増していきます。言葉も覚え、ここからの成長は目覚ましいものです。
自我の芽生えです。
そして、2〜3才になると第一次反抗期を迎え、何をやっても「イヤイヤ」と言って、親を手こずらせることになります。
この辺りは大変です(笑)。
自己主張が激しくなり、また自分の意思で動けるので、目が離せなくなります。
「そっちに行ったらダメ!止まって!」と禁止が増えたり、買い物でお菓子を「買う!」「買いません!」とケンカになったり…。
親は子どもとのバトルで、クタクタになってしまいます。
しかし、子どもが自分の意思を持って、お父さんやお母さんに要求したり、親の言う事を拒否したりするのは、成長過程においてはとっても大切な事です。
それは、「社会性」を身につけていくための第一歩だからです。
自分の意思をちゃんと伝える→それを大人から否定されたり、禁止される経験をする→イヤだけど、ここでは我慢する…。
そんな経験を積み重ねて、子どもたちは我慢する事を覚え、社会のルールを身につけていきます。
だから、「イヤイヤ」を言ったり、気に入らない事があって泣いて怒ったりしても、それはむしろなくてはならない事で、ごくごく自然な成長過程だという事ができます。
怒るのは、子どもの成長の第一歩だと考えてみると良いかもしれませんね。
子どもの怒りと病気
でも、子どもの怒り方があまりにも激しいと、「もしかして、この子は何かの病気なのかも…」と心配になるかもしれません。
『すぐ怒る病気』ってあるんでしょうか?
『発達障害』と言う言葉をどこかで聞いた事があるかもしれません。
最近は『神経発達障害』と言われたりもします。
『神経発達障害』の中に『自閉症スペクトラム』と呼ばれる症状があります。
ちょっと話がそれますが、発達障害の用語は時代と共に変わってきていて、以前は「自閉症」「発達障害」「軽度発達障害」「広汎性発達障害」等と呼ばれていました。とってもややこしいですね。
『障害』と聞くとビックリしますよね。“不治の病”の様な怖い病気…の様なイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、『発達障害』は「病気」と言うよりは、発達の凸凹など、子どもの個性を理解して、成長を促していく為の指標と捉えていく方が良いかもしれません。
『自閉症スペクトラム』は2つの大きな特徴があります。
①社会的コミュニケーションの苦手さ
②行動、興味、活動が限定的で反復的
だという事です。
これもまたややこしいですが、大きくざっくりと言えば、人との程良いコミュニケーションの取り方が苦手、日常の変化が苦手…と言う事になります。
②の中に「同一性への固執、習慣への頑固なこだわり」があります。
自分の中にルールがあって、それを譲る事ができない。場面の切り替えが苦手で、なかなか次の行動に移す事ができない。新しい環境や物、初めて会う人になかなか慣れない。毎日同じ流れを好む。等、毎日の生活で、なかなか柔軟性を持たせる事ができない状態を言います。
それが怒る原因になります。
勿論、小さな子どもはまだまだ人生経験が浅いので、誰でも気持ちを切り替えるのが苦手です。
しかも、反抗期なので、自分の要求が通りそうにないと「イヤイヤ」で抵抗しようとします。
ですから、子どもはもともと手がかかって、怒るものなのです。
でも、柔軟性がなくて小さな事にこだわってしまい、怒ることでしか表現ができない状態が続くと、お父さんもお母さんも疲れ果て、お互いにしんどくなってくるかもしれませんよね。
「すぐ怒る」のは決して病気でははありません。
でも、子どもの個性を正しく知り、子どもが健やかに育つ環境を整えてあげる事はとても大事です。
それは、子どもに発達障害があってもなくても、誰にとっても必要な事です。
どうしたらいいでしょうか?
そんな時は、次のような工夫をされると良いかもしれません。
これからの育児のヒントにしていただけたらな…と思います。
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子どもが怒った時の3つの対応方法
①お父さん、お母さん、まずは気持ちをリセットする
子どもが怒り出すと、ついイラっとして、怒鳴り返してしまいます。
時には手を挙げてしまいそうになる事もありますよね。
でも、ちょっとガマン。
言いたいのを少しだけだけ我慢して、一呼吸置きましょう。
大人が感情的になってしまっては、子どもは益々怒ってしまいます。
まずは深呼吸。
落ち着きましたか?
まだ興奮していたら、心の中で数字を数えてみましょう。
1、2、3…。
10数えると、少しは楽になりませんか?
それでもダメな時!
子どもと同じ部屋から出て、隣の部屋やトイレに行っちゃいましょう。
自分から避難するのです。
これはとても有効です。
他に、料理をしたり、家事をしたり、ご自分なりに気持をリセットできる方法を見つけられると良いですね。
②行動の予告をする
自分が何かを楽しんでいる時に、「もう止めなさい」といきなり中断されるとイヤですよね。
私たちも、ドラマを観ているのに「もう、家事の時間だから」と、ダンナさんに突然。プチっとテレビのスイッチを切られると、こちらの気持ちまでプチっと切れてしまいます(笑)。
子どもの場合も一緒です。
何の前触れもなく、突然予定を変更されると、不愉快になります。
怒りっぽい子どもは途端に暴れ始めたりするかもしれません。
次の行動があらかじめわかっている時は、前もって伝えておいてあげましょう。
「あと◯分で、△するからね。」
「これが終わるまで待っていてね。」
のように、具体的に伝えてあげる方が有効です。
子どもが見通しを持てると、案外次の行動に移りやすいものです。
③できていることを褒める
これは難易度が高いかもしれません(笑)。
私たち親は、叱るのは得意ですが、褒めるのは苦手な人種だからです。
ついつい悪いところ、腹が立つ行動に目を向けがちです。
でも、褒める事は一番効果があります。
私達大人も、仕事で褒められたり、料理を褒められたりすると、その褒めてくれた人に対しての信頼感は一気に上がります。
そして、その、大好きな信頼している人の為にも、もっと頑張ろう!…と思えるようになります。
お父さん、お母さん達が、そんな信頼できる人になれたらとってもいいと思いませんか?
お子さんは、毎日毎日、いつでも怒り続けていますか?
いつもわめいていますか?
そうじゃありませんよね。
とてもお利口さんで、わがまま言わない時も時々はありますよね⁉︎
そんな時こそ、褒め時です!
「良い姿勢で食べたね!」
「お買い物、上手について来れたね」
と、何が良かったのか、具体的に伝えてあげましょう。
大好きなお母さんが、頑張ったところをちゃんと見ててくれた!と、子どもが感じてくれたら、とっても励みになるものです。
1日の内、少しでいいので、意識してみてください。
まとめ
すぐ怒る子どもの育児は大変です。
でも、少しだけ、大人が環境を変えてあげるだけで、子どもの態度は変化してきます。
完璧に子育てする事は出来ませんが、できる範囲で、少しだけ、お父さん、お母さんの態度を工夫してみてください。
必ず子どもさんは応えてくれます。
毎日の生活の中で、少しだけ頑張っていると、子どもも少しづつ変化してきます。
でも、どう関わればいいのか分からなかったり、あまりにも怒ることが続いて、親が辛すぎたり、“病気かも”と心配になる時は、ぜひ専門機関に相談しましょう。
保健所はとても身近で良いと思います。
実際に子どもさんを見てもらうと、具体的な対応策を教えて貰えて楽になりますよ。
子どもがイライラする病気に「うつ」があります。うつについてはこちらをご覧ください。
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