ちょっとした事なのにすぐに怒る、何だかいつもイライラしていて腹が立つ、ついつい叱ってしまって職場の人を傷つけてしまう…。
そして、イライラしている自分に罪悪感を感じて自己嫌悪の毎日…。
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“こんな私はもしかしたら病気かも…”と心配になった事はありますか?
“怒る”とはどう言う事なのでしょうか?
病気なんでしょうか?
怒る事と現代の日本人
人は生きている限りいろんな感情を持って毎日を過ごしています。
そんな感情も大きく分けると二つの感情に分ける事ができます。
一つは快の感情。そしてもう一つは不快な感情です。
“楽しい”“嬉しい”の様な、心地良い、快の感情を伴うものは受け入れやすく、その感情を以って人と関わっても、全くトラブルになることはありません。
一方で“悲しい”“辛い”の様な不快な感情を抱いた時は、嫌ではあるものの、その対象の人や事態から逃げれば、ある程度はそれらの感情を和らげる事ができます。
ところが、“怒る”感情はとても複雑です。
不快な感情であるのにもかかわらず、その怒りを感じた対象から、逃げるよりも、益々積極的に近づいて関わってしまうという、とても厄介な行動を取ってしまうのが特徴です。
ですから、“怒る”という感情と付き合うのはとても高度な技がいるのです。
その上、日本は特に、怒りを表すのはの良しとしない文化的な背景を持っています。
例え、怒る感情やイライラする感情が湧いても、人を攻撃したり、ダイレクトに不快感を表したりするのタブーなのです。やんわりと、含みをもたせた表現が求められ、しかも、その意図が相手にキチンと伝わらななければ意味がありません。
日本人として世の中を上手く泳ぐためには、この“怒る”“イライラする”感情を如何に上手く操作して人と付き合っていくかが、大切な鍵となってくるのです。
ところがどうでしょう。現代はストレス社会です。
毎日、通勤ラッシュに見舞われてヘトヘトになり、職場に行けば、上司に叱られ、部下から追い立てられる人もいるかもしれません。
また、締め切りに追われてピリピリしたり、正確さが求められて緊張したり。
ご家庭では核家族化が進んで、1人で子育てを抱え込んでしまったり、ママ友との付き合いに気を遣ったりしているかもしれません。
誰もがみんないろんな場面でストレスを抱えて毎日を過ごしています。
イライラしやすくて、すぐに怒る環境に身を置きがちな現代の私たち。
現代の日本人にとって、イライラ感や怒り感と上手く向き合うのは、とても難しくなってきているというのが現状でしょう。
怒る病気とは?
怒りとは、“自分の中の規範や思い、期待などが、誰かあるいは何かから侵害、侵入された時に起こる不快な感情”だと言われています。
ちょっと今日のご自身を思い返して下さい。
イライラしたのはどんな時でしたか?
頑張って意見を述べたり、頑張って仕事をしたのに、真っ向から否定された。
約束の時間に遅れて来たのに、友人は謝りもしなかった。
身体の不調が続く。
など、 毎日、どこかで、自分の感情が何かに侵害されてイライラしたり怒る事を経験するものです。
では、生活する中で怒る事は避けるべきなのか?
そうではありません。
人は、向き合う事がしんとい出来事や耐え難いストレスに対して、“怒る”感情を表すことで、自分自身を守っているのです。
自分の中の心のバランスを保つ為にも“怒り”は必要なのです。
こうなってくると、“怒る”感情と付き合うのは、益々、本当に難しいものだと感じてしまいますね。
付き合うことがとても難しい、こんな“怒り”の感情。
“怒り”を上手くコントロールできなくて悩んでいる方はとても多いと思います。
冒頭にも書いたように、怒りがコントロールできないと、自己嫌悪に陥ったり罪悪感を持ってしまって、精神的にも辛くなってきます。
こんな感情が「もしかして私は病気なんじゃないか?」「このまま怒り続けると病気になってしまうんじゃないか?」という心配に結びついているのではないかと思います。
怒る事やイライラがあると病気なんでしょうか?
怒り続けると病気になるのでしょうか?
アメリカ精神医学会による「DSM-5 精神疾患の診断と統計マニュアル」は、現在の日本の診断にはなくてはならない基準です。
DSM-5を見てみると、感情に関する病気として「不安障害」や「抑うつ障害」が挙げられています。
しかし、驚くことに「怒り障害」と言う病気は見当たりません。
つまり、怒る病気はありません。
こんなに身近で、こんなに扱いが難しいのに、怒る病気は存在しないのです。
しかし、一方で、様々な障害の中に「怒り」が存在し、診断基準の一つとして挙げられています。
「怒り」は様々な病気の兆候で、「怒り」の先には何かにの病気が潜んでいる時があると考える事が出来るます。
もう少し、怒りについて探っていきましょう。
怒りが向く方向
皆さんは怒りを感じた時にどうなさいますか?
腹が立ってケンカをしてしまった。
ムッとして喋らなかった。
我慢した。
等、その人が怒りに対して取る行動は様々でしょうが、人が怒りを感じた時に取る行動は概ね二つに分けられます。
一つは怒りを外に向ける方法、もう一つは内…自分に向ける方法です。
行動の癖として、みんなどちらかの行動を取りやすい傾向があります。
皆さんはどちらですか?
内に向け過ぎる、外に向き過ぎるなど、“過ぎる”と自分や他の人との心の摩擦が大きくなって、心のバランスを崩してしまい兼ねません。
怒りを自分の中に向け過ぎると、抑圧された怒りがいろんな形に変わって心身に影響を及ぼします。
鬱っぽくなったり、抑圧が強すぎると解離性の障害を起こしたりします。
反対に怒りが外に向き過ぎると、相手の人が傷ついてしまいます。
外に怒りが向きすぎてしまう病気には、双極性障害や強迫性障害、人格障害などが挙げられます。
いずれにしても、内か外かに怒りを向け過ぎない事がとても大事です。
怒りの向け方に気をつけて、“程良く”を心がけていく事が非常に重要です。
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発達障害と怒り
すぐ怒る、すぐにイライラする人の中には発達障害の可能性がある方がいらっしゃるかもしれません。
小さい頃から感情のコントロールが下手で、怒りに任せて突っ走ってしまった事はありませんか?
それが元でケンカが絶えなかったり、辛い思い出だけれどいじめられてしまったりしませんでしたか?
成長と共に人間関係で挫折する事が重なり、人が怖かったり、人間不信になったりしていませんか?
それで、自分を守ろうとして、人を攻撃する事が多くなっていませんか?
「どうせ、私は…」とすぐに被害的に考えたり、逆に「悪いのは自分じゃない。いつも悪いのはあいつだ」と、人を攻撃しがちになりませんか?
また、音に敏感で、人の声や物音を不愉快に感じて怒ってしまった事はありませんか?
自分の思いが強すぎて、気持ちを切り替えるのが苦手、不意な変更に腹が立つ事が多くはないですか?
周囲の人の説明が曖昧すぎて分かりにくい、周囲の人の感情が分かりにくくてトラブルになる事はありませんか?
毎日の生活が規則正しく、リズムが崩れるのがとても嫌なので、人に自分のペースを守るように要求しがちになりませんか?
思い当たる事がたくさんあれば、一度、発達障害の可能性を考えてみてください。
自己理解を深め、行動の方法や怒りの向き合い方を学ぶと、今後の生き方が全く変わってきます。
あなたも、そして周囲の人も生きやすくなります。
まとめ
怒りやイライラの感情を持つととても厄介な行動を取るのが特徴で、その感情と上手く付き合うにはとても高度な技が必要です。
その上、日本の文化的背景には、怒りをあらわにするのはタブーとされる意識があるので、日本人として世の中を上手く泳ぐ事はとても難しいものです。
「怒り」は様々な病気に見られますが、私たちは、怒りを外に向け過ぎない・内に向け過ぎない事がとても大事です。
また、すぐ怒る症状として、発達障害も挙げられます。
自己理解を深め、行動の方法や怒りの向き合い方を学ぶ事が大切です。
いずれにしても、すぐ怒る、イライラする事で精神的に疲れている人、それが病気かも、と心配になる人は、心が悲鳴をあげて、身体が“SOS”を出しているのかもしれません。
あまり心配なら、思い切って病院や専門機関の門をくぐってみましょう。
収穫はあるはずです。
発達障害の詳しい事についてはこちらをご覧ください。
⇒彼は発達障害?すぐ怒る男性を怒らない人にするための8つの対応策
また、タバコと怒りについてはこちらをご覧ください。
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