普段はいい人なのに、運転を始めた途端に人格が変わってすぐ怒る人っていますよね。
楽しくドライブしていたのに気分も台無し。
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なんて言えば暴言や荒い運転をやめてくれるんだろう?
そんな運転中のトラブルに対してどうすればいいのか一緒に考えてみませんか?
運転中にイライラするのはどんな点?
岩手大学の藤井義久先生は、運転中のドライバーがどんな事に怒りを感じるのかを2014年に調査しています。
ナルホド…と思う結果でしたので引用させていただきます。
運転中の方はどんな時にどんな事で怒るのかを4つの要因にまとめています。
⒈運転を妨害された時
信号がなかなか変わらない。
渋滞が続いて進まない。
信号が赤ばかり。
前を走るバスがゆっくり。
蛇行を繰り返すバイク。など、自分の運転が思うようにできない時に怒る方が多いようです。
私も思い当たるので、ちょっと恥ずかしいです。
⒉運転中に交通違反を見た時
交通標識を守らない。
信号無視をする。
猛スピードで走る。
乱暴な運転をする。
交通ルールを守らずに運転をする人を見て怒ってしまうのですね。
女性には意外かもしれません。女性はあまり怒らないそうですが、男性は怒るそうです。
⒊運転マナーが悪い車に遭遇した時
隣の車線から無理やり割り込む。
後ろからクラクションを鳴らす。
前の車がウインカーを出すタイミングが遅い。
対向車線の車が急に左折や右折をしてくる。
⒋運転中に危険な状況になる
正面衝突しそうになる。
急に子どもが飛び出す。
前の車が急ブレーキをかける。
後ろから追突される。
ヒヤリとして、とても怖くなる状況です。危険と隣り合わせになると怒りは湧いてきますよね。
怒りの感じ方と男女差
自分に直接危険が降りかかったり、自分の運転が邪魔された時に怒るのは男女ともに見られて納得できますよね。
しかし、⒉交通違反 にあるように、他人が信号無視をしていても、猛スピードで走っていても、女性はあまり怒りを感じないのではないでしょうか?
わあ、危ない。今に事故を起こしちゃうんじゃない?あんな運転してたら…なんて、冷静に分析している方もおられるかもしれませんね。
でも、男性はすぐ怒るそうです。
別の調査ですが、女性は親しい人に対して怒りやすいのに、男性は知らない人に対して怒りやすい傾向があるそうです。
女性はどちらかと言うと、車の中で騒いでいる子どもにはイライラしても、他人の荒い運転にはあまり関心を持たないのかもしれません。
でも男性は、見知らぬ、交通違反をしている運転手に怒りを感じてカリカリしているのです。
ここに男女の怒りの感じ方の違いがあるのかもしれません。
私たち女性から見ると、旦那様や彼氏がカリカリと怒るのを見て「何でそこまで怒るの?」と感じた経験があると思いますが、もしかすると、男女によって怒りの感じ方が違うかもしれない…そう思うと、少し冷静になって旦那様や彼氏の怒りを見つめられるかもしれません。
怒ることと運転中の心理
私たちは生活しているといろんな感情を抱きます。
欲しかった服が買えて嬉しい!の様に、嬉しい気持ちや楽しい気持ちの「快」の感情はとても受け入れやすいものです。
一方で、苦しい、悲しい「不快」な感情はなかなか受け入れ難いものです。
特に「怒る」と言う感情は「不快」であるにも関わらず、不快な相手に近づいてコミュニケーションを取りに行く…と言った、とても難しい行動をとることになります。
怒りと向き合うためには、“怒り”ながらも、しかも“円滑にコミュニケーションを図るという”高度なコミュニケーション力が求められます。
運転中の私たちは車という個室に入り、人との関わりから切り離された空間で過ごす事になります。
車の列に並んで、クルマ集団の中の一運転手となり、どこか人とのコミュニケーションから切り離された世界に身を置く感覚になるものです。
そのために、人を不愉快にさせないという怒りのコントロールの大原則への意識が低くなり、どうしても怒りのコントロールが難しい環境に置かれてしまいます。
従って、車の外にいる他人から不快な思いをさせられた時に、1対1のコミュニケーション…という意識が薄れてしまい、“怒りの気持ちを円滑に表現しよう”と配慮する意識が低くなってしまいます。
怒りをコントロールする機能や意識が低下し、車の運転で不愉快な事に直面してふつふつと怒りの気持ちが湧いてきても、逆に、怒りを“人を従わせる手段”として使い、手っ取り早く怒りのストレスを発散させようという方向に向かいがちになります。
普段なら優しくて思いやりがある人でも、人の感情を配慮する意識が低くなっている運転中には、“怒り”をコントロールするよりは、怒りという感情で人を屈服させる方向に使ってしまいがちになります。
怒りの感情って、本当に難しいですね。
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運転中に怒る人への対処法
怒る人は、運転相手が悪いことをしたから怒るのは当然!と主張して、自分の意見を曲げる事はなかなかないでしょう。
だから、同席しているあなたは何も言えなくなってしまいますよね。
子どもの場合は「○○してはいけません」と注意しても、泣きながら「ごめんなさい」と謝って素直に聞き入れてくれる事は多いものです。
しかし、大人はそうはいきません。
「怒るのは良くないから止めましょう」と注意しても、素直に聞き入れるどころか、逆ギレしてしまう方が多いのではないでしょうか。
大人は、自分で納得しないとなかなか行動を変えようとはしてくれません。
どうしたら納得してくれるのか?とても悩んでしまいますね。
思い切って伝える
まずはこちらが本気だということを言葉に出して伝えましょう。
相手が怒っていると、これ以上怒らせなように…と私たちは口をつぐんでしまいがちですが、本気モードを見せないと、なかなか気持ちは伝わりにくいものです。
スピードを出し過ぎたり、荒い運転をすると大きな事故にも繋がってしまいます。
後悔するだけでなく、誰かを傷つけてしまう事になったら取り返しのつかない事になります。
それが怖いのだ、と正直に伝ましょう。
もし、あなたやあなたの身近な人が交通事故にあった経験があるならば、そのシーンを思い出しそうな場面に出くわすと怖くなるでしょう。
そんな気持ちになることを正直に話しましょう。
子どもさんが同乗していて乱暴な言葉を聞かせたくないのなら、それもハッキリと伝えましょう。
どれくらい真剣に考えているかをハッキリと言葉で伝えましょう。
後悔先に立たずです。
あなたの大事な人が加害者になる前に守ってあげましょう。
主語に気をつけて伝える
怒りに任せた文句は、聞いていても気持ちの良いものではありません。
その場でやんわりと気持ちを伝えましょう。
「あなたがこんな事を言うと気分が良くない」と主語を“あなた”にするのではなく「私は、その声を聞くと怖くなってドキドキする」「私はこのスピードでは気が気でない」と“私”を主語にして伝えてみましょう。
“あなた”が主語になると、どうしても責められている印象を相手に与えてしまいます。
怒りの言葉は人を従わせるためのパターン化された方法です
イライラした気持ちは他の方法でも対応できるものですが、運転中に文句を言う人は、怒りの感情が芽生えた時に、即座に文句を言う方法で解決するするのが習慣化されています。
このパターンは、運転以外の他の場面でもとっさに出てきますので、損をすることがあります。
文句で相手を屈服させても何も進展はありません。
それは、一方的な押し付けのコミュニケーション方法でしかありません。
トラブルの場面を増やすだけです。
“習慣されている”だけだ、押し付けになっているだけだ、と言うことに気づいてもらいましょう。
努力してくれたことには言葉で伝えましょう
もし、あなたの言葉に少しでも耳を傾けてくれて、少しでも努力してくれている様子が見られたら、是非とも言葉にして伝えましょう。
日本人は言葉で伝えなくても伝わる…と考える事が多いものですが、努力を評価されるのは大人でも嬉しいものですし、励みになります。
是非ともあなたのために努力してくれていることに、積極的に感謝の言葉を伝えましょう。
まとめ
運転を妨害された。
交通違反を見た。
相手の運転マナーが悪い。
運転中に危険な状況になる、など、自分の運転に直接影響する場面以外の場面でも運転中の人は怒っていますが、人の怒りは聞いていても気分の良いものではありません。
怒りの感じ方に男女差があるのも、不愉快になる原因になっているかもしれません。
車のような、人との関わりを切り離された場所では怒りをコントロールするのが難しくなってきますので、その事を意識して運転する事が必要です。
もし旦那様や彼氏の怒り方が耐えられない時は、勇気は要りますが思い切って伝えましょう。
大きな事故に繋がって悲しむのはあなただけでなくて、被害者や被害者の家族も…です。身体に一生消えることのない傷を背負わしてしまうことになるくらいだったら、今、あなたが勇気を振り絞って怒るのをやめてもらう方がどれくらい楽なことか…。
それくらいの覚悟で立ち向かう方がいいかもしれません。
イライラする人の中には発達障害を疑った方が良い方もおられます。イライラの仕方が気になる方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
また危険運転をされる方の中には境界性人格障害の方がおられます。境界性人格障害についてはこちらをご覧ください。
⇒キレすぎて怖い…。すぐ怒るのは境界性人格障害かも?接し方は?
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