子育てを楽しみたい…って誰もが願うけど、現実は思うようにいかない方が多いですね。
特に育てにくい子の子育ては、むくわれることが少なくて、現実と向き合うのがつらくて逃げたくなることもあると思います。
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今回は、そんな子育てがつらい時に読むととっても良い、オススメの本を紹介します。
きっと力が抜けて、子どもに優しくなれますよ。とってもいい本です。
「育てにくい子」と感じたときに読む本(主婦の友社):佐々木正美
タイトルは『「育てにくい子」と感じたときに読む本』です。佐々木正美先生の本です。
佐々木正美先生は、「正美」という名前ですが男のお医者さんです(笑)
とても優しい先生で、長く児童精神科の現場で発達障害の子どもを診てこられました。
自閉症児の治療や教育ってどうしらいいんだろう?と、日本が試行錯誤していた頃に、外国から新しい概念を導入して、障害児の教育に一筋の光を与えてくれた先生です。
神様みたいな先生なんですが、でも、先生がもっと素晴らしいのは、子育てをするお母さん達にいつも寄りそってくれて、優しいまなざしで励ましてくださるところです。
今回ご紹介する本も、そんな、優しさ満点で、しかも子育てを深〜く反省させてくれる本です。
私も深く反省しました。
自分がなんて情けない親なんだろう。全然子どもが見えてなかったな…と深く考えさせられました。
育てにくい子の子育て〜手間がかかる子はいい子?〜
手のかからない子がいい子だなんて
そんなのは大きなまちがいですよ。
人生のどこかで
親は子どもにたっぷり手をかける必要があるんです。
小さいころに手をかけさせてくれる子が
本当はとてもいい子なんです。
本の1ページ目にこんな文が書かれています。
私たちは、たいていは“手間をかけず”に子育てしたい。楽をしたい。と心のどこかで考えてしまいます。
だから、ダダをこねたり、泣き叫ぶ子はイヤですね。
可愛いけれど、あまりしつこくお母さんと遊びたがったり、まとわりつかれるのもイヤ。めんどくさい。
手間がかかる子は“イヤ”だし“育てにくい子”だと、どうしても思ってしまいます。
「たっぷりと手をかける必要がある」「手をかけさせてくれる子はいい子」
始めの1ページで、思考回路がショートしてしまいそうになります。
育てにくい子の子育て〜愛しているぶんだけ不安になる〜
わが子を愛している分、不安が強いのですね。
不安が強いから、いまのわが子のそのままの姿に安心できないのです。
子どもに「望むような姿」に変わってもらうことで、安心させてもらおうと思っているのですね。
この本には、こんなドキッとさせられる文がいっぱい散りばめられています。
子育ての不安の元は、きっと「こんな風に育ってほしい」と思い描く自分の理想と、そうなってくれないわが子とのギャップかもしれません。
わが子に「自分の望むような姿」になってもらいたいけど、現実にはそうはなりません。
ほとんど、たいていは。
不安は自分の問題です。
子どもに向けるものではないんだ…と考えさせられます。
育てにくい子の子育て〜子が望むような親になる〜
一番いい方法は子どもを変えようとしないことです。
「親が望むような子にしよう」と思うのではなく、「子が望むような親」に自分自身がなるといいのです。
私たちは、わが子を“自分のもの”ように感じ、自分のイメージどおりになってもらいたいと感じることが多いです。
でも、反対なんですね。
変わるのは子どもではなく“自分”なんですね。
どうしたら子どもが変わるか…
どうしたら子どもが成長するか…
それは、まず自分が変わることなんです。
子は、私たち親に何を望んでいるのでしょう?
子は、私たちにどう接してほしいのでしょう?
それを考えることがとっても大事だと本は教えてくれます。
育てにくい子の子育て〜過保護と過干渉のちがい〜
佐々木先生は過保護と過干渉の違いも、この本で述べておられます。
過保護と聞くと、何でも先回りしてやってしまい、わが子を守りすぎて行き過ぎた行動が目立つ親をイメージしてしまいますね。
でも、先生が目指すのは「過保護な親になりましょう」ということです。
えっ?過保護に⁈と思うかもしれませんが、先生のおっしゃる過保護はちょっと違います。
「過保護」とは「子どもの望むことをやってあげすぎる」ことです。
先ほどの、「子が望むような親」になる…と通じているところですね。
子が望むことをやってあげすぎると、「親は絶対に保護してくれる」と感じ、「自分は大事にされているんだ」という安心感が生まれ、「一人でやってみよう」と伸び伸びと行動ができる力が育つんです。
自主的でいきいきした子を育てる
それが過保護だというのです。
一方で「過干渉」は、子がやりたいと思わない、子が望まないことをやらせてしまうことです。
過干渉は、わが子の自立の芽を摘みとってしまいます。
育てにくい子の子育て〜手のかかる子には手をかける〜
手のかかる子には思う存分手をかけてあげてください。
親は、手のかからない子には手をかけなくなってしまいます。
子は、信頼があるからこそ親に主張します。
信頼できる人にしか、それは向けられません。
そう考えると、わが子が主張して、いろんなことを言ってくるのは、私たちが“親”だからなんですね。
信頼しているからこそワガママを言う。
信頼している人にこそ手をかけてほしい。
私たちは手のかからない子には、あえて手をかけようとはしません。
だから、手がかかる子は、自分たちを信頼して精一杯の愛情を求めてくる子で、訴える力がある子だとも言えるんですよね。
育てにくい子と向き合うのはしんどいけれど、そう考えると、手がかかることさえ、いとおしくなってきませんか。
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育てにくい子の子育て〜まずは自分のメンテナンス〜
子育てにはストレスがつきものです。
しかも、子育ては“自分育ち”でもあるので、子どもを通して、自分と向き合うことが多くなります。
ですから、自分の心を整える。
自分の心をメンテナンスしておく。
そんなことがとても大事になってきます。
自分の親との関係が悪かったり、大きなコンプレックスを抱えていると、わが子と向き合うのがしんどくなりがちです。
それを支えてくれるのがだんな様を含めた家族です。
ですから、だんな様の理解がなくて相談できないと、それもしんどいですね。
人をありのまま受け入れるためには、自分がまず受け入れてもらう必要があるんです。
子育てで必要なのは、まず、自分が人に受け入れてもらえる経験が必要です。
人に受け入れられるから、人を受け入れられます。
特に育てにくい子は受け入れられにくいものです。
まずは、自分を大事にしていきましょう。
だんな様やご家族、専門職の人など、見わたせば誰かが必ずいます。
誰かに自分をゆだねてみましょう。
「育てにくい子」と感じたときに読む本 悩み多き年齢を上手に乗り越えるためのアドバイス
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まとめ
育てにくい子は手間がかかる子です。
でも、手をかけてもらった子は、親から大切にされていることを肌で感じ、安心感を持って育つことができます。
育てにくい子を“大変な子”と思うのではなく、“手間をかけさせてくれて”“大切に子育てする機会を与えてくれる”子だと思えればいいですね。
この本は最初から最後まで、優しいけれど考えさせてくれる言葉がいっぱいあります。
待つことの大切さ。
子を変えるのではなく、自分が変わることの大切さ。
手間をかけることの大切さ。
そんなことを教えてくれる本でした。
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